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【ビジネス書】トレードオフ

この本で著者は

世の中に様々な物やサービスが生み出され消えていく現在において

生き残っている企業には共通する法則がある、それが【トレードオフ】だ!


【トレード オフ】とは

一方を追求しようとすれば、他方は犠牲にしなければならないという考え方。


では、何を追及し何を犠牲にするのか。

それは【上質】と【手軽さ】である。


上質と手軽さ。

多くの人が、【上質】と【手軽さ】の両方を実現する事で、より多くの人の関心を引くことが出来、成功できると思っているが

実際には間違っている。

上質と手軽さは相反する物で、両方を追い求めるのは幻影を求めている事と等しい。

幻影を追い求める行動は、結果的に【上質さ】も【手軽さ】も手に入れることが出来ず、【不毛地帯】に突入してしまう。

どちらか一方だけを追い求める事こそが重要だと主張しています。


そして、実際の物やサービスを例に挙げて、トレードオフの法則に基づいて、何故成功したのか、何故失敗したのかを検証していきます。

読んだ感想としては、納得できる部分もあり、考え方として知っていて損は無いと思わせるような内容ではありましたが

後半にかけて、理論そのものが曖昧になっていきます。


例を挙げてみましょう

納得できる部分

音楽業界が提供するサービスの【上質】と【手軽さ】を追求した商品とは

【上質】がライヴであり【手軽さ】MP3だ。

ライヴは、ただ生で音楽を聴くというだけでなく、その場に自分が存在したという経験を与えてくれる。

その経験は、何年月日が経とうと人に話す事が出来る出来事であり、同じ価値観を持つ人の前でその経験を話すとき、その人は幸福感に包まれる

正に【上質】の体験である。

その一方で

人気のあるライヴであれば、チケットを取るだけで競争しなければならず、日程も場所も主催者側が決める

決められた時間に会場に行く事を強制され、金額も決して安い物ではない。

手軽さとは程遠い。


その対極にあるのが【MP3】だ。

MP3音源は、家に居ながらにしてネットで格安で買う事が出来る。

正に【手軽さ】を極めているといえる。

しかし音質は悪く、上質とは言い難い。


そして、上質でも手軽でもない【不毛地帯】に入り込んでいるのがCDだ。

音質こそMP3よりは良いが、値段も購入手段も、手軽さという点でMP3に負けている。

また上質という点でも、ライヴに負けている。

近年の日本でのCD売り上げの低下にも見事に当てはまっている。


このような例が数件紹介され、そのいずれも納得できる物なのだが、後半部分で【トレードオフ】の定義が曖昧になっていく。

例を挙げると

ティファニーが若者向けに低価格商品を出した。

ティファニーには元々【上質】なブレンドイメージがあったため、低価格商品は物凄い勢いで売れたのだが

その後、今までヘビーユーザーだった顧客がティファニーから離れる現象が相次いだ。

ヘビーユーザーからすれば、【学生でも買える様なブランド品なんていらない】わけで、ティファニーは上質さと手軽さを求めて不毛地帯に入ったと結論付けしているのだが

その後のアップル・航空会社の解説では、同じことをしているにも拘らず成功体験として書かれている。

具体的には、アップルはI podを発売し、その後、低容量の低価格路線に変更する。

しかし、アップルはIフォンやI padを相次いで発売し、ブランドイメージを保つ事に成功!と結論を出す。


航空会社の件では、今までの各航空会社は価格を引き下げて【手軽さ】を求めた商品を一切出して来なかったのだが

ある航空会社が低価格商品を出してきた。

今、日本に参入してきたLCCのような物だ。

殆どの航空会社が【上質さ】だけを追求する路線をとっていたのに対し、【手軽さ】を前面に押し出した低価格航空会社が登場したため

上質なサービスを必要とせず、目的地に辿り付けさえすれば良い低所得の顧客は、一斉にその航空会社に流れ、格安航空会社は一気に大手企業に駆け上がったのだが

既存航空会社が新たなサービスを打ち立てたことで、格安航空会社は市場から撤退せざるを得ない状況になってしまった。

そのサービスとは何かというと、空席率に目をつけ、飛行機が出発する数週間前に予約を取れば、格安航空と同じような価格でチケットを変える事が出来るというサービスを提供したのだ。

既存航空会社は、今までは空席だった席を格安で売ることで、値段だけを気にしていた客層を取り戻したのだ。

既存の航空会社は、既に【上質】なサービスを提供していた為、価格の低下によって【手軽さ】をも見につけた為、【手軽さ】だけが売りだった格安航空会社は対抗する手段がなくなってしまったそうだ。

しかし、この既存航空会社が取った行動は、【上質】と【手軽】を同時に求める行動であり、トレードオフの理論からは外れる。


これらの例でもわかるとおり、【トレードオフ理論】はそれぞれのケースによって変わる。

その事を著者も気がついたのか、本を読み進めていくうちに『人が求める【上質】や【手軽さ】は、その人の価値観によって変わる。』

と言いだし、『【上質】や【手軽さ】は極めなくても、人が許容できるレベルをクリアーし照ればそれで良い』という理論に代わり。

【上質】といえるレベルをクリアーしていれば、その中で最も【手軽】な物が選ばれ

【手軽】と思えるレベルをクリアーすれば、その中で最も【上質】な物が選ばれるという理論に変化する。

そして、その【上質】【手軽】と思えるレベルは、人それぞれの考え方に依存する。


つまり、理論としては破綻しているようにも思える。

かといって、読むほどの価値は無いともいえない。

読む人によっては、本の内容を生かすことも出来るだろうし、現在商品開発で悩んでいる人は、何かのヒントに成るかも知れない。

価格は1800円なので、読んで損は無いだろう。





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