FC2ブログ

人民元安誘導の危険

昨日書いた日記の続きです。

前回、中国が抱える巨額の外貨準備高の問題点について書いたのですが

外貨準備高の金額を問題点としてあげると

『日本も外貨準備を抱えている点では同じでしょ?』と思う人もいるでしょう。

しかし、日本と中国では決定的に違う点があります。

それは、経済状態と金利です。

外貨資産を保有している上で重要になるのは、内外金利差です。

内外金利差とは、自国内の金利と保有する国の金利との差のことなのですが、これがプラスであれば外貨資産を大量に保有していても問題は無いのです。

具体的に例を挙げると

日本の長期金利は1%に対しアメリカの長期金利が3.5%の場合、毎年2.5%分の受け取り利息が発生します。

当然2.5%というのはドル建ての利息ではありますが、利息が発生するという事は、アメリカドルが1年間で2.5%下落しても損失はないことになります。

金融ショックなどにより短期間でドルが下落する事もありますが、数十年という長いレベルで見れば、大きな損失リスクは回避できるでしょう。

しかし、中国の場合はどうでしょうか。

中国は、特定の地域だけを見れば先進国並みの生活をしていますが、国全体で見るとまだまだ途上国。

経済は順調に成長していますし、インフレも進んでいます。

経済が成長して且つインフレという事は、バブル防止のためにも政府は金利を引き上げます。

その一方でアメリカ経済は既に成熟期を迎えています。

人々に生活に必須の物やインフラは行き渡っている為、経済の爆発的な成長や高インフレにはなりにくい環境にあります。

今現在は、アメリカの成長が一時的停滞か、日本型デフレへの戸注入なのかの見方が分かれてはいますが

どちらにせよ、当分の間は沈んだ経済を持ち上げる為に低金利に持っていくでしょう。


ということは、中国は金利上昇傾向にありアメリカは金利下落の方向に進む事になり

中国とアメリカの内外金利差は、マイナス方向に拡大してしまう事になります。

こうなると、外貨準備に対して内外金利差分の損失が毎年発生する事になってしまうわけです。

それに加えて中国は、ドル安によって外貨準備が自国通貨建てで見た場合に目減りしてしまうリスクまで抱えてしまっているわけです。


最近『中国がユーロ圏の財政不安を抱えている国に対して、資金の貸付を約束した』といった報道がされています

『中国は、困っているユーロに対して貸付を約束する事で恩を売るとは、戦略が凄い!』といった解説も良く聞きますが

上記のようなことを踏まえてみると、そのような解説が間違っている事がわかるはずです。


中国は、ギリシャやスペインなど、ユーロ圏で財政不安を抱えている国に進んで貸付を行っているが

戦略的に行っているのではなく、内外金利差を考えると【財政不安を抱える危険な国の債権しか買えない】のではないだろうか。

中国も馬鹿ではないので、外貨準備がドルに集中している事が危険な事ぐらいは解っている事でしょう。

そこで、外貨準備を他通貨で持つ事でリスクヘッジをしようとし、その対象として流動性があるユーロを選ぶしかなかったわけです。

しかし、上記に書いた内外金利差の問題で、ユーロ圏で経済も安定していて財政的にも安心感があるドイツの国債を買っても、金利差によって損失が出てしまいます。

ユーロ下落の可能性を考えた場合、内外金利差によって金利収入を得なければならず、中国の金利や今後の成長性やインフレを考えた場合

金利が高い国の国債しか買えないという現実が見えてきます。

金利が高いという事は、その国の国債の人気が低い事であり、低人気の理由は信用力が無いからです。

信用力が無いという事は、言葉を変えれば【破綻する可能性が高い】という事なので

中国はドルの下落リスク以外に、ユーロ圏の破綻リスクまで背負っている事になります。


そしてこのリスクは、中国が為替介入をして人民元安に誘導し続ける限り拡大し続けるのです。

今は、巨大なマーケットや生産拠点として重宝され、立場を強めている中国ですが

早い段階で人民元安に依存する経済から抜け出さないと、世界中の顔色を伺いながらでないと生きていけないような国になってしまうのではないでしょうか。



ランキングに参加してます

良ければポチッとb


関連記事

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://dorufurusu.blog33.fc2.com/tb.php/71-37cf0e33