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21世紀の資本は何故受け入れられたのか

少し前(2015年初め)ぐらいから、トマ・ピケティ 教授の21世紀の資本が話題になっていますね。
私は読んだわけではないのですが、数多くのコンテンツで要約が紹介されているのを耳にしました。
その説明によると、内容はひとつの公式に集約される。

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資本収益率は、経済成長率を上回る。
今まで散々言われてきた事なのに、今までは受け入れられることがなかった話題が、何故今になって受け入れられたのか。
今回は、このことについて考えていきます。

最初に言っておきますが、私はこの本を読んでいない為、この投稿は本のレビューではありません。
21世紀の資本をテーマとして取り上げた議論の数々を聴いて思った事を元に書いています、誤解しないようにお願いします。
資本収益率は経済成長率を上回る。
いきなりこんなことを言われても分かりにくいですよね。
という事で、言葉の意味を一つ一つ見てみましょう。

資本収益率とは、よく財テク本なんかに書いてある『お金に働いてもらう』というやつです。
例えば、バブルの絶頂期で銀行金利が8%だった時代に、1億円の現金を銀行にあずけておけば、800万円の金利収入が得られます。
これが資本を活用する事による収益。
銀行預金にかぎらず、土地を購入してマンションを建てて貸し出したり、会社に投資して配当を受け取る等、お金によってお金を生み出す事によって利益を得られる割合が、資本収益率。

その一方で、経済成長率は実際の労働によって、経済がどれだけ成長するのかという割合。
単純に経済の成長率が給料の伸びと結びつけることは出来ませんが、経済成長しない限りは労働者の給料が上がることはない。
つまり、経済成長率は給料上昇の源泉になっているんです。

言葉のイメージがだいたいわかった所で先ほどの公式に戻ってみましょう。
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これは、労働者が実際に働いて得られる給料の上昇率よりも、金持ちが投資で得る利益のほうが大きい事を示しています。
つまり、資本主義経済は発展すれば発展する程に、格差が拡大していく社会といえます。

この事実は、経済を少しでも勉強した人は殆どの人が知っていた事です。
にも関わらず、何故、今になってこの本が話題になっているのかというと、それまでは経験則として知っていただけで、過去のデータを調べて検証した人はいなかった。
それを実際にデータを示して解説したという事で、話題になった様です。


今になって急に取り上げられたこの手の議論ですが、先程も書きましたが、この本が出る前から経験則として知られていた事であり、問題視する人も少なくありませんでした。
勿論、その中には資本主義による格差拡大を主張する人は出てきましたが、殆どの人がどのような対応を受けたかというと『共産主義者』というレッテルを貼られ、罵声を浴びせかけられ、意見を無視されました。

では何故この本が受け入れられたのかというと、解決方法でしょう。
格差を問題視する人達の今までの考え方は、資本主義と格差拡大は同じものの表と裏なので、この2つを切り離して考えることは出来ない。
切り離せないのであれば、資本主義そのものを今とは別のものに変質させなければならない。
それも僅かな変化であれば意味は無いので、大胆な改革案を提唱すると、結果として反資本主義になってしまう。

資本主義至上主義の方達は、反資本主義=共産主義者なので、議論のかなり最初の段階でレッテルを貼って耳を塞いでしまう。

しかしこの本では、資本主義の枠内での解決案を提示しているようです。
当然のことながら机上の空論で、実行することは不可能なものです。
具体的には、全世界レベルでの累進課税制度の強化。

金持ちが働いている人よりも多額の不労所得を得ているわけだから、その人達から大量の所得税を徴収し、低所得者からは余りとらない。
税金徴収によって富が再分配される為、格差は縮小に向う。
一見すると、正論に見えますし、共産主義でもないですし、よい方法ですよね。
不可能という点に目をつぶれば。

この累進課税制度の強化は、先程も書きましたが、全世界レベルで導入しなければ意味がありません。
というのも、僅かな数の国が抜け駆けすることで、この案は無意味なものになってしまうからです。
何故なら、抜け駆けして金持ちに対する所得税を低く抑えた国に金持ちが移住することで、合法的に脱税できるからです。

そして、この合法的脱税を防止する為には、今現在、消費額に対して税金を課す消費税しか対抗策が無い。
つまり、資本主義自体は格差が拡大して問題が有るが、今現在、対処方法は無いと言っているのに等しい為、資本主義至上主義者にとっては、吊るし上げる必要もない。
結果として、資本主義の申し子であるマスコミやパネラーである評論家に受け入れられたってところでしょうか。
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