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ゲージュツの境界

私は前からずっと、芸術が何なのかが分かりませんでした。
しかし最近になり、自分の中に答えのようなものが湧き上がりました。
その切っ掛けとなったのは、主に絵画の世界で同じ様な意味合いとして存在する美術との違い。

【美術品】と【芸術品】
同じ様なものを連想するにもかかわらず、2つの定義は明確に違うような気がしていました。
自分なりに深く考えてみたところ、最終的にこの2つの言葉の違いは、アプローチの仕方が文系的か理系的かという違いがあるのではないかと思うようになりました。
今回は、そう思うに至った経緯を、書いていきます。

※ここで使う文系・理系という定義は、文系が感情的表現で、理系が理論的・科学的という意味で使っています。
私個人の印象なのですが、芸術品と言われると、正直、どの部分が芸術なのかが理解できない事が多々あります。
私に学が無いと突っ込まれると言い返す言葉も無いのですが、世界的に認められていて、オークションで凄まじい額で取引されている芸術品も、何処に価値が有るのかが解らないという事も少なくありません。
しかし、美術品といわれると、そのものが作られた経緯や、最終的につくり上げるための技術の素晴らしさを、なんとなく理解できる様な気がします。

この差は一体何なのか。
長らく分からなかったのですが、最近になり、美術品と芸術品は、作家自身のアプローチの仕方そのものが違うのではないかと思うようになりました。
具体的には、美術は理系的アプローチで、芸術は文系的アプローチ。
このアプローチの差が、一方は解りやすく、もう一方はわかりにくくしている原因なのではないかと。


例えば美術の世界では、美の追求のために様々な手法が開発されています。

平面的な絵を立体的に見せる為に、消失点を作る透視図法による遠近法、手前と奥の色彩の差を利用した空気遠近法等が開発されました。
また、キャンバスという限られた空間内で表現するために、構図なども考案されています。
わかり易い例だと、対角線構図、三角形構図等。
キャンバス内のどの位置にどのような形でものを書くと安定するのかといった事が、試行錯誤の上で確立されました。

また、自然の美しさ、明るさをそのまま表現する為の方法も考えられます。

人の目は光センサーである為、人が見て美しいと感じるものは光の三原色で表されています。
しかし、人が観たものをキャンバスに移す際には色の三原色で表現しなければなりません。
この両者の三原色の違いは、光の三原色が色を混ぜれば混ぜるほど白に近くなるのに対し、色の三原色は混ぜるほどに色がくすみ、最終的には黒になってしまうことです。
混ぜ合わせることで真逆の現象が起こるものを、どのように表現するのかが考えられ、印象派や点描画といった作品が生み出される。

色彩にスポットライトが当たると、その方面の研究も進むことになります。
マンセル色相環等を使って対極にある色を使って補色したり、基準となる色の近くの色を使うことで色相を統一させる等の技術も生み出され、色彩によるバランスも考えられるようになりました。。
色については、色彩そのものが持つイメージ等も研究されていますよね。
例えば、暖色・寒色など、色によって温度を感じたり、明暗によって希望や不安等の印象を操作する。
これらの色が与える心理的な作用を踏まえた上での、色の配置等。

今までは複雑で分かり辛かった【美】という概念を、勉強さえすれば誰にでも理解できるところまで持ってこようという先人たちの努力が見えます。
世界的に評価されている葛飾北斎は、輪郭線を単略化し、全ての線は直線と円で書かれていると、定規とコンパスのみを使って表現していたりします。
これも、ものを捉えるという作業を単純化し、理論が分かれば手法を真似れるという点では同じですよね。

これらは全て、理系的なアプローチです。
説明されるとだれでも理解することが出来、また、自分のものとして取り入れることが出来ます。

そして先代の人達が開発した技術を使い、その技術を更に発展させていく。
完全に安定したバランスよりも、敢えて一部のバランスを崩した方が良い。その場合、全体の何%程崩せばよいのかといった試行錯誤を繰り返し、新たな技術を模索していく。
その技術は次の代に受け継がれ、次の時代の人間が更に発展させる。
このサイクルは、科学の発展の形とほぼ同じですよね。

今回は絵を例に書きましたが、基本的には彫刻のような造形も建築のような構造物も同じです。
次回は、私の思う芸術の定義について書いていきます。
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