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食料自給率の問題 その3

前回の記事で上げた、コメ農家について書いていきたいと思います。

農業関連のことを調べるようになって、いろいろブログや記事を読んだりしたのですが

コメの値下がりが止まらず、悲鳴を上げている農家が多いようですね。

しかし、それは本当なのでしょうか。


コメの国内自給率は、昭和40年の段階ですでに、国内自給率はほぼ100%に達しています。
【新しい「農」のかたち】 より

コメ作りは、昔は一家総出で手作業で行われていた物が、農業機械の登場により飛躍的に効率が上がり、100%を達成したのです。

100%達成という事は、農家の方が更に農地を拡大したりして効率化を計り、低コストで沢山作った場合はコメが余る事になります。

具体的には、農業者一人当たりの生産量は、1960年の4.3トンと比較して、06年には26トン。

過去40年で6倍も生産性があがっていることが分かる。

高齢化や跡継ぎ問題により、農業従事者のかずは激減していると叫ばれているが、実際には6分の一の人数で同じ量を生産出来る状態に成ったのだ。


ではブログで書かれているように、自給率ほぼ100%を達成した昭和40年を境にコメ価格は下落し続けたのでしょうか?

実際には、その2~5年前からコメ価格は上昇し続け、ピークをつけた昭和60年ごろには、コメ価格は3倍にまで跳ね上がっています。

米価格推移


普通に考えると、物の価値が上昇というのは需給が引き締まる事で起こるので、供給量以上に需要が出てきたから価格が上昇したのでは?

と考える人も、中には居るかもしれませんが実際には違います。

この頃から、日本で食の欧米化が進み、国内のコメ需要は徐々に減少していきます。

その一方で、機械化が進んだ農家は供給を増やし続けます。

その結果として需給が完全に狂い、米は大量に余るようになります。

米の買取をしている国も、余る一方の米を買い続けることは出来ず、ついに生産量を減らすために減反政策を取ります。

本来であれば、供給過多で需要減であれば、米の価格は下がるはずです。

しかし実際には、一本調子で上昇して3倍になったわけです。

何故かというと、減反政策によって米の生産量を減らされた農協組合は、農協に圧力をかけて米の買い取り価格を値上げさせたんです。

供給過多の状態で、価格が下落するならともかく、価格が上昇したらどうなるでしょう?

3食米を食べなくてもパンを食べても値段は変わらないという事で、日本の欧米化は更に進んだんです。

それにより需要は更に落ち、政府は減反によって更に米の生産量を減らします。

生産量を更に減らされた農業組合は、農協に圧力をかけ・・・ 以下ループ。

結果として、米の価格は3倍まで上昇します。

一人当たりの生産量が6倍になっているのに、コメ価格は3倍に上昇しているんです。


米価格の上昇は農家が望んだ事。

そして、買い手の農協は、買ったものは国に売るので自分の腹は痛まない

さらにいうと、農協の仲介手数料はコメ価格に対して何%という形で計算されるので、コメ価格が上昇したら手取り手数料は上昇するので、むしろうれしい。

しかしその結果として、世界的な競争力が落ち、高い関税により保護しないと駄目な状態にまでなったのです。


また、ブログで『米の価格が下がって、生活が苦しい』というブログを多数見たと書きましたが、その殆どが最近10年の価格推移しか載せていません。

そして、その記事の殆どの書き手が、専業農家ではなく兼業農家の方だと思われます。


ネット検索やTVのインタビューでも、最近は2種類の農家による意見を聞きます。

一つは、米の価格が下がって苦しい。 他の農作物も作るが、とても採算ラインに乗らない。

もう一つは、TTPで関税による保護がなくなっても、自分達は世界に対して自信のある商品を売ることが出来る。

世界市場でも負けることは無いので、関税を撤廃するならすれば良い。

何故同じ農家から、違った2つの意見が出てくるのでしょう?


実は同じ土俵で戦っている農家では無いからです。

農家の違いについては、また次回に。

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