FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アベノミクスという幻想

もう何度目になるか分かりませんが、またアベノミクスの話です。
私が観るテレビの多くで、安部首相に対して反対意見を主張している人も、消費税増税以外の経済政策は正しかったという主張が多いです。
しかし私自身は、どうもこのアベノミクス成功論には納得出来ないんですよね。

という事で、今回は何故納得出来ないのかについて、書いていこうと思います。
アベノミクスによって改善したと言われている、賃金・株価・物価。
この3つの水準は、本当にアベノミクスによって引き上げられたのでしょうか、それとも、他の要因があったのでしょうか。
まずはここから考えていきます。

まずは株価について。

アベノミクスが成功したと主張する人の多くは、2012年の9月から翌年の5月半ばに向けて大幅に株価が上昇した事が印象に残っており、安部首相の経済政策を支持しているのだと思います。
確かに株価は2倍近く上昇したわけですから、この状態に対して異論を唱えても、馬鹿にされるだけの様な気もします。

しかし個人的には、私は様々な偶然が重なって株価が上昇しただけだと思っています。
それは何故なのか。

まず、株価が急上昇したタイミング。
アベノミクスによる上昇というからには、何らかの経済政策が出てから上昇すべきだと思うのですが、実際には民主党が政権を放棄したタイミングで上昇しています。
つまり、自民党の実際に行う政策を吟味した上での上昇ではないわけです。
またこの時期は、日本株だけが上昇したわけではなく、世界中の株価が上昇している。
安部首相の経済政策が切っ掛けで上昇というには、微妙なタイミング。

次に株価水準。
私自身の考えとしては、安部首相の経済政策に期待しての上昇というのであれば、株価水準は世界の株価と比べても、割高に買われてしかるべきだと思うわけです。
アベノミクスという単語は世界中を駆け巡ったわけですし、世界中の投資家がその政策に期待して株を買ったのであれば、その分プレミアが着き、割高に買われるのは自然なことです。
しかし実際の株価はどうだったでしょうか。
去年時点の日経平均の来期予想EPS、つまり、今年の4月に発表された企業業績から算出されたEPSは、約1000円です。
(EPS=企業の利益÷発行株式数=一株あたりの利益)
現在の株価をEPSで割ると、株が一株利益の何倍まで買われているかという株価収益率であるPERを出すことが出来ます。
株の教科書によると、PERは20倍前後が適正といわれていますが、日本のPERは13~15倍前後で推移している為、割高というよりむしろ割安です。
ちなみにアメリカは18倍前後、アメリカと同じ水準まで日本株が買われた場合の日経平均は18000円なので、日本の株はアメリカに比べてかなり弱い。

この様な事実から、安部首相によるアベノミクスが評価されて上昇したというより、そもそも日本株が売られ過ぎていて、市場参加者が売り疲れ、買うタイミングを探していた時期に、都合よく民主党が解散したことが切っ掛けで買い戻しが入ったと考える方が自然の様な気がする。


次に、賃金・労働環境について。
最近になってTV等では、人手不足から店を閉める飲食店も出てきていると、かなりの労働力不足をアピールしているように見えます。
そしてその流れからか、政府は外国人労働者を受け入れる事を検討する姿勢を見せました。
しかし、本当に労働需給は改善し、人々の生活は改善方向に向かっているのでしょうか。

私が思うに、今の労働市場が改善しているようにみえるのは、アベノミクスの影響というよりは、不幸な出来事であった震災による復興需要と東京オリンピック招致が切っ掛けで起こった、建設需要の増加が大きな要因だと思います。
建設業界は、小泉政権時に行われた公共事業の縮小によって仕事が減り、結果として規模を徐々に縮小させていきました。
日本の雇用制度では社員を解雇することは難しい為、建設業界では新規採用を絞り、年配の職人に定年という形で職場から去ってもらうという方法で事業規模を縮小していった為、結果として技術を持つ若者を育てる事ができない状態に成っていた。
その状態にあって、復興需要とオリンピック招致が重なり、更に消費税増税による駆け込み需要が発生し、その上国土強靭化計画による公共事業が重なった。
ただでさえ人が足りない状態で短期的な需要が一気に重なったことで、一時的に労働市場で供給が増え、労働需給が改善しているように見えるだけではないでしょうか。

少し考えれば分かりますが、政治家のさじ加減で変化する公共事業は別として、復興需要・東京オリンピック招致による都市開発・消費税増税前の駆け込み需要は短期的な要因に過ぎず、長くても数年で需要は落ち着きます。
建設業界も馬鹿じゃないので、短期的な需要の為に大幅に人員を増加させるようなことはしないでしょう。
技術がなくても出来る単純作業と専門職を分けることが出来る場合、単純作業人員をバイトや派遣社員を短期労働者として雇い、正規社員の人数を抑えるのではないでしょうか。
結果として、建築やそれに付随する業種の求人倍率が一時的に増え、今まで労働環境が悪い上に給料が安いと言われていた飲食業界から人が大量に移動したと考えるのが妥当だと思います。

また、震災復興需要・東京オリンピック関連需要の部分は主に関東の話ですので、関西圏ではその恩恵は関東程受けれるわけではありません。
ワイドショー等では、東京のファーストフード店の時給が1350円になった!と騒いでいますが、私の住む京都では相変わらず800円で募集が行われています。
また先日の報道では、一部地域では、生活保護費と最低賃金の逆転現象が起こっていると報じていました。
この事からも人手不足・賃金上昇は、関東を中心とした一部の地域、業種のみで起こっている現象と思われます。


最後に物価水準。

これは簡単な話で、震災によって原発が止まった事で、エネルギーが原油やガス等の燃料に変わった事。
原発を停止させたことによって選択肢が減ったことで、エネルギー販売国が優位に価格決定できる状態になった事等で、結果的に電気料金が上昇した事と、円安による要因が大きいでしょう。
エネルギー価格は、オートメーション化が進んだ工場では人件費に変わる固定費となっていますが、ここが数割上昇する事で、かなりのコストアップになってしまいます。
円安は、資源を他国から買っている日本にとっては単純に輸入製品価格の上昇になりますし、生産拠点を海外に移している企業にとっては固定費の増加となります。

ここ最近の物価高は、これらの要因によって上昇したコストを製品価格に転嫁しただけなので、企業としては何の恩恵も受けられませんし、当然人件費を上げることも難しいでしょう。
本来目指すべき理想的な物価高は、需要が供給を上回ることによって価格が上昇するのが理想ですが、今は需要が無い中で原材料価格が上昇している事が原因で価格が上昇しています。


結果として日本国民は、賃金が上昇しない一方で物価だけ高くなることで可処分所得が減り、生活がより苦し状態になっています。
国や日銀は景気や物価目標は良い方向に向かっているという認識の様ですが、本当に国民の目線で考えているのかどうかが、かなり疑問に思うのですが、どうでしょうか。
関連記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://dorufurusu.blog33.fc2.com/tb.php/401-efd218ff













上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。