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お金と金融について その2 (主にオプションの説明)

前回は金融商品を紹介し、それぞれの登場には意味があったという感じの投稿をしました。
今回は、それらの金融商品が何故問題を引き起こすのかについて考えてみようと思います。
借金にしても株・先物・オプションにしても、適切に使えば便利なツールであって、問題があるものではないと思います。
前の投稿でも書きましたが、これらの商品は、本来は実物経済とリンクしているもので、経済活動を行なう上でのツールでしかありません。
その為、仕事上、利用しなければならない人が適切な範囲で利用していれば、仮に問題が起こっても、大きな問題にはなりにくいと思われます。

例えば借金も、先行投資目的で資金を借りる分には問題はないです。
その投資が成功すれば、資金返済を行えるわけですから。
先物相場も、一次産品の生産者の収入を安定させますし、一次産品を購入して加工販売する人達も、必要な文の商品を手当しやすく、価格も比較的安定する為、便利な取引です。
株も同じで、資金は無いがアイデアはある人が事業を起こしやすいですし、余剰資金を持っている人達も、使う予定の無いお金を全額現金で持っているよりは、成長産業や良いアイデアを持っている会社の株を購入したほうが、資金を有効活用できる上、現金以外の資産を持てる為、リスク分散になります。

しかし、取引所が出来きて商品価格が変動すれば、相場を利用して儲けようという人達が登場します。
そしてその人達は、数ある金融商品を組み合わせ、より儲けを得るためにリスクを最大化しはじまます。
結果として、金融市場に流入する金が膨大に膨れ上がり、経済の動きを映し出す鏡であるはずの金融市場が暴走し、金融市場の動きに経済の方が振り回される状態になっています。
個人的にこの様な現状は、異常な状態だと思います。


もう少し具体的に書いていきます。
例えば借金ですが、事業を起こすためや拡大するために借金をするのは、時間を効率良く使う為に必要なことです。
貸し出す人も金利を得ることが出来、借りた人が事業で成功して借金を返せば、何の問題もありません。
しかし借金を、他の用途ですればどうでしょうか。
例えば、株を買うために借金をする。
株の取引そのものは会社の経営権の取引なので、最終的に事業買収や事業統合をする為に株が必要で、その株を買う為に借金が必要という場合も有るとは思います。
しかしそうではなく、相場の上下を利用して、安く買って高く売る取引、いわゆる鞘抜きをする為に借金をするのはどうでしょう。
株の上下は、どれだけ分析したとしても値動きを確実に当てられるわけではありません。
その取引の為の借金は、失敗した場合、返せない事もあるわけです。

その他の取引も同じです。
先物取引は元来、一次産品を効率よく、安定的に購入する為に生まれた取引です。
また、先物取引は、売買契約を先に行っているだけなので、100万円の取引をするのに100万円の現金が必要なわけではありません。
証拠金と呼ばれる担保金さえ積めば、僅かなお金で多額の売買契約を結ぶことも可能な取引です。
この制度を利用し、商品そのものを取引するつもりが全くなく、先物相場の上下を利用して儲けようとする人達が出てきています。
この人達は、僅かな証拠金を預け、その証拠金の数倍の価格の商品の売買契約を行い、受渡日前に反対売買を行うことで差金決済しています。

先物に絡んで登場したオプションも同じで、商品や先物を一切取引しない人が、オプションのみを単独で売買するケースも出てきています。
オプションについては前回紹介したのですが、もう一度簡単に説明すると、売買権の売買を行う取引です。
先物を、指定の価格で指定の日に【売る権利】の売買、【買う権利】の売買です。

権利を買う側は、指定の価格で売買する権利を得ますが、権利を売る側は、相手側が権利を行使した場合、指定価格で対象商品を売る義務が生じます。
例えば、対象商品を1000円で買う権利を売買した場合、権利を購入した側は、対象商品が1500円に値上がりした場合、権利を行使すれば1000円で商品を購入できますが、仮に700円に値下がりしている場合は、権利を行使しなければ、市場を通して700円で商品を購入することが出来ます。
つまり、自分の都合の良い価格で購入する選択権が有るわけです。
しかし、権利を売却した側は、商品価格が1500円に値上がりし、相手側が権利を行使した場合、権利を売却した側には権利行使価格で売却する義務が発生します。
義務に対しての拒否権は無いので、販売側の利益額は確定していますが、損失額は無限大になるわけです。
まとめると、オプション取引の買いは、損失限定・利益無限大で、売りは、利益限定・損失無限大となるわけです。

こう見ると、オプションの売りが圧倒的に不利な様に思えると思います。
この様な条件で、オプションを売る人が存在するのかと疑問に思う方も居らっしゃると思いますが、実は結構居るんです。
何故オプションを売る人がいるかというと、ヒントはオプション価格の構造に有ります。

オプション価格は、主に2つの要因で決定しています。
1つは実物価格との差で、もう1つは価格がどのレベルまで変動する可能性がある家です。
1つ目の実物価格との差というのは、対象となる商品価格が1000円の場合、500円で購入する権利には既に500円分の利益が乗っている状態なので、+500円ということになります。
逆に、500円の商品を1000円で購入する場合、購入時点で500円分のマイナスが有るため、-500円となります。
この計算は単純な足し算引き算なので、理解しやすいと思います。
この価格に、2つ目の価格の変動する可能性を金額に変換した値を加えたものが、オプション価格です。

2つ目の価格が変動する可能性は、2つの要因に分けて考えます。
1つは、時間的価値。もう一つは、価格の変動幅です。
時間的価値というのは、権利行使日までの時間がどれぐらい有るかという事で、長ければ長い程、価格は高くなります。
例えば、今の(2014/5/14)日経平均株価は14,000円程ですが、この価格が明日15,000円になる可能性はかなり低いです。
しかし、3ヶ月後に15,000円になっている可能性は、明日なる可能性よりかは遥かに高いわけです。
こうなると、権利行使日まで1日しか無いのと3ヶ月有るのとでは、当然3ヶ月有る方が有利な為、価格は高くなります。

次に、変動幅について。
14,000円の日経平均株価が15,000円まで値上がりする可能性を考えた場合、一日に10円しか値動きがない場合と、1日に500円値動きがある場合で、15,000円に到達できる可能性は変わってきます。
1日に500円の値動きがある場合、上手い具合に2日上がれば15,000円に到達するわけですが、10円しか値動きがない場合、1,000円上げるのにかなりの日数が必要となります。
この場合、変動幅が大きくなれば成る程、目標価格に到達する可能性が高くなる為、価格は上昇します。

オプション価格は、これらの要因を全て足したもので決定しています。
ここでピンときた方も居らっしゃるかと思いますが、オプション価格というのは、時間経過によって値下がりする傾向があります。
先ほどの、オプションを売る人が結構居るという話ですが、オプションは時間経過によって時間的価値は確実に減少する為、オプションを売ることで利益が得やすいわけです。
誤解の無いように書いておきますが、確実に儲けが出るかといえばそうでは無く、大きなニュース等が発表され、変動幅が拡大した場合は、変動幅拡大による価格上昇が時間的価値の減少による価格下落幅を超える為、売れば儲かるというわけではありません。

…と、予想外にオプション価格の説明が長くなってしまいました。
このオプションは、基本的には先物や現物の保険商品なのですが、先物や現物を絡めずにオプションのみで取引することも可能なんです。
またオプションの特徴として、あくまで保険である為、1,000円の商品を買う場合1,000円の保険料がかることはほぼありません。
オプション価格は権利行使価格にもよるのですが、買いで入る場合は、振りな条件の物を購入することで、購入価格を大幅に減らすことが可能となります。
具体的には、1000円で取引されている商品のオプションを買う場合、1500円の権利行使価格の買う権利を購入すれば、オプション価格を構成している1つ目の要因である現在価格との差がマイナスになる為、かなり安い値段(場合によっては1円等)で買うことが可能となるわけです。
仮にこの権利を1円で購入した場合、商品価格が1600円になることで、100円の利益が出て、掛け値は100倍になります。

また、オプション自体も満期まで持つこと無く、権利行使日前に売却する事が可能です。
オプション価格は原資産の変動幅の拡大、縮小によって値が動くため、ここでも鞘抜きが可能となるわけです。


今回の投稿は、オプション価格の説明で予想外に長くなったのでここまでにします。
続きはまた次回に。
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