FC2ブログ

お金と金融について考えてみよう

ここ数回に分けて、資本主義の問題点について書いてきましたが、今回は、その元となる、お金について考えていこうと思います。

お金とはそもそも、物々交換を円滑にする為に生まれたものです。
例えば、米を作っている人が物を買う場合、自分が欲しているものと米を交換出来れば、お金なんか無くても問題無いわけです。
しかし実際の世の中では、自分の欲しい物を作っている人が、必ずしも米を欲しいと思っているとは限らない。
その場合、欲しいと思っているものを手に入れる為には、物々交換を繰り返えして目当ての物を手に入れる必要があります。

この作業は、まず相手が何を知っているのかを知り、どのような経路で交換していけば良いかを考えなければならないので、非常に効率が悪い。
しかし、そこで一旦【お金】というツールを挟むと、取引は非常に便利になります。
お金が有れば、相手が何を欲しているかを知らなくても、商品をお金に交換し、さらにお金を自分が欲しい商品と交換することで、欲しいものが手に入れやすくなる。
特に欲しいものが無かったとしても、手持ちの商品を取り敢えずお金に交換しておく事で、いざ欲しいものが出来た時に、欲しい物を手に入れることが出来る。
つまり、お金というのは物やサービスを交換しやすくする為の、便利な道具なんです。

しかし現在では、特に何かを生産するわけでもないのに、お金を右から左に動かすことでお金を生み出すという、よくわからない状態になっています。
そして、資本主義の世の中では、お金を動かすことでお金を増やす錬金術を行っている人が多くの利益を得て、実際の物やサービスを生み出している労働者階級を支配する、歪な構造になっています。

日本では、金融に関する教育がほぼされず、お金を持ったり、お金の話をする事自体が悪とされる国。
なので、お金を使ってお金を生み出す人達に対し、何か凄いことをやっている様に思っている人も少なからず居らっしゃると思います。
しかし実際に行われているのは、ただの半丁博打だったりするんですよね。

具体的に書いていきます。
まず、物々交換を円滑に進めるために、お金という概念ができました。
お金は保有するのも持ち歩くのも楽で、自分が行った労働を数値化出来る為、かなり便利な道具として普及します。
これは先ほど書いたことですね。


お金が普及し、技術が発展して人々が組織化すると、余剰資金を融通しあう様な制度ができ始めます。
これが借金ですね。
借金をすることによって当座の資金繰りをしたり、少ない自己資金で新たな会社を作ったりすることが出来ます。
また余剰資金を持っている側も、ただ持っているだけよりも、人に貸し付けて利息を得た方が得なので、持ちつ持たれつの両者にとって関係が出来ます。


また、先物取引も登場します。
先物取引と聞くと、危険な取引だと思ってしまう人も多数居らっしゃるかと思います。
しかし、先物取引は正しく利用すると、かなり便利な市場なんですね。
例えば、年に1回しか収穫出来ない作物を育てている農家があったとします。
年に1回の収穫なので、当然、収入は収穫時の1回のみですが、農家はその作物を育てる為にかなりの投資は必要となります。
種や肥料を買わなくてはなりませんし、自分たちが日々暮らす為の生活費も必要です。
機械や道具を使う場合は、購入やメンテナンス費用も必要でしょう。
しかし、この農家の収入は、最後の最後、収穫して商品を売却した時にしか得ることが出来ません。
つまり、それまでにかかる投資分は、借金によって賄わなくてはなりません。

ここで、先物取引の登場です。
代々、長年農家をやっている方なら、大体の収穫高は予測できます。
そこで、年数回に分けて先に商品を売却する手続きをし、代金を先に受け取ってしまいます。
そして、収穫を終えた後に、約束した数量の商品を業者に引き渡すことで、取引を終了します。
この取引の利点は、時間分散が出来る点です。
農作物の場合、豊作で作物が採れすぎれば、商品価値は下がり、売却した際の金額は下がる可能性があります。
売却のタイミングが、収穫後の1回だけの場合、自然環境によって受け取る金額が変動することになり、生活は不安定になります。
しかし、先物取引により、豊作・凶作が分かる前に何割かを売却し、作物の成長を観察し、収穫高が判明するに連れて徐々に売却していき、収穫高が確定した時に全て売り切るようにした場合、ある程度の収入の安定が図れます
この取引は売り手だけでなく、買い手にとってもメリットが有ります。
自社で製品を作る際に、年間で一定量の数量の作物を買わなければならない会社がある場合、購入タイミングが収穫後の1回だけの場合、凶作の際には価格が高騰し、予定分の作物が買えない可能性があります。
しかし、先物取引を利用することで買い付けタイミングを分散することが可能となる為、購入金額を毎年一定に保つことが容易になり、コスト計算も楽になります。


先物取引が出来ると、この先物に対する保険商品が登場します。
それが、オプション取引です。
オプション市場は、買う権利・得る権利をそれぞれ売買する取引所で、オプションと先物取引を組み合わせることにより、保険をかけることが可能となります。
例えば、先物取引で1キロ1,000円の商品を3ヶ月後に購入する手続きをしたとします。
3ヶ月後にこの商品が500円に下がっていた場合、500円で買える商品を1,000円で購入する契約をしてしまっているので、この取引では損失が出てしまうことになります。
しかし、1キロ1,000円で購入すると同時に、1キロ1,000円で売却できる権利を100円で購入しておけば、500円に下落したとしても、保険商品によって差額の500円分が帰ってくることになり、500円にオプション料の100円を足した、600円で購入できることになります。
仕組みとしては、1000円で売却できる権利を持っている状態で、市場価格が500円に下がった場合、市場価格の500円で商品を購入して、オプションの権利を行使して1000円で売却すれば、500円の利益が出ることになりますよね。
ここでた500円の利益を、先物取引で発生した損失と相殺すれば、最大損失がオプション料金内で収まるというわけです。


また、株式というものも登場します。
株式は、簡単にいえば一口オーナーの様なものです。
お金は持っていないけれども、事業を起こして軌道に乗せるアイデアはある人が、自分の代わりに出資している人を見つけやすくするシステムです。
会社の立ち上げ資金を1人の人から集めることが出来れば、特に株式は必要ないのですが、複数人から集める場合は株式を発行し、資金を出し合った割合で株式を割り当てることで、会社を複数人で所有することが可能になります。
この理屈を理解していれば、株主総会での決議も、1株1票ということが理解できると思います。
数年前の震災後の東京電力の株主総会で、反原発の運動家が最低単位の株を購入して株主総会に出席し、反原発の意見を主張したが、多数決も取られずに否決されたと喚いてました。
マスコミも『それはおかしい!』という論調で報道していましたが、株主総会は1株1票なので、4つぐらいの組織の人が東京電力の株式の51%を保有している場合、その4つの組織の代表者4人の意見を聞いただけで決議できるので、この会社の判断は間違ってはないわけです。
それが株式です。これが資本主義です。


これらの金融商品。
一つ一つ見れば、有効に使えば便利そうなものですし、必要な物も多そうな気もしますよね。
しかし問題は、これらの商品を複合的に合わせて利用することで、市場に歪みが出てしまうことなんです。

金融商品の説明だけで長くなってしまったので、歪みについてはまた次回に。
関連記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://dorufurusu.blog33.fc2.com/tb.php/392-c4cc985f