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資本主義の矛盾点 その3 報酬編

前回までの投稿を読まれた方の中には、私の考え方が共産主義的な考え方だと思われる方も居らっしゃるかもしれませんが、誤解しないで欲しいのですが、私は共産主義を進めようとこの投稿を書いているわけではありません。
むしろ、過去の歴史において、共産主義体制が続かずに崩壊している現実を見れば、共産主義そのものに致命的な欠陥が有ったのではないかと思っています。
しかし、資本主義社会も完全なシステムとはいえず、システム内に重要な欠陥を持っていると思っています。

前回までの投稿では、資本主義はその構造の中にデフレ要因を含んでいる事と、資本主義が進むに連れて大きくなり続けるピラミッド構造の問題点について書いてきました。
今回は、ピラミッド構造の問題点を報酬という観点から見ていこうと思います。
私自身は、この報酬の歪みが放置されて更に格差が拡大することで、最悪の場合は戦争や革命が起こる可能性もあると思っています。
そういうことが起こらない為にはどうすれば良いのかについて考えていきます。
資本主義社会では、強い者はより強く、弱いものは市場から撤退を迫られることになります。
生き残った強い企業は、持っている資本を使って他社を吸収・合併により、企業そのものが大きくなり、その規模は国境を超え、世界展開する様になります。
結果として組織は、徐々に巨大化していくわけですが、組織が巨大化することで出てくるのが、報酬の問題。
ピラミッド構造の組織は、一部例外は有りますが、頂点に君臨するものの給料が一番高く、そこから階層が下がるに連れて報酬は下がっていきます。

ピラミッド構造は、大きくなればなるほど、ピラミッドの底辺の長さは大きくなり、高さは高くなっていきます。
この構造を持ったまま企業が合併して巨大化したことにより、今の二極化は起こっていると考えられます。

また、この構造の社会では、組織を維持する管理者側が優れているとされ、現場で働くものから管理者が搾取する構造になっています。
そして管理者候補は、ピラミッドの底辺から出発するのではなく、ピラミッドの途中から横入りする形で組織に入ります。
前回の投稿でも書いたピラミッドが二段構造になっている状態です。ひとつの組織で観た場合は、キャリアとノンキャリですね。
この構造は一つの組織内でのみ起こっている現象ではなく、社会全体として起こっている現象です。
例えばメーカーの場合、メーカーは部品を作る小さな会社等を下請けとして、自身はその上に君臨し、影響力を発揮します。
この構造は、三角形を基本形としたフラクタル構造の様になっていると私は考えてます。
フラクタル構造について詳しくしいたい人は、過去に【べき乗則】を取り扱った本の感想を読んだ際に、その構造について書いたので、それを参考にしてみてください。

この様な構造になると、皆が管理者側や、上位の会社に入ろうとします。
結果、労働市場ではミスマッチが起こり、管理者側・大手会社には学生が殺到し、ピラミッド構造の底辺層と思われているところには人が集まらない現象が起こります。
ピラミッド構造の上位では競争が激しい為、その競争に勝つ為、一人あたりの教育費は上昇することになります。
個人的には、この流れが少子化につながっている様な気もします。


こういった意見を書くと、『じゃぁ、皆平等の共産主義が良いのか?』といった疑問が出てくると思います。
誤解しないで欲しいのですが、私は共産主義が素晴らしく、理想的社会だとは思いません。
歴史を見ても、共産主義は上手く行っていませ。ソビエト連邦は崩壊しましたし、中国も一部で自由経済を導入し始めましたし、過去に行った共産主義には問題が多いと思ってます。
皆の賃金が金額ベースで同じなら、サボっても真剣に仕事をしても同じということで、努力して上に行こうと思う人間も少ないでしょう。
結果として、新たなものやサービスが生まれ辛くなると予測されるので、全員が同じというのは賛成しません。
しかし現在のように、低所得者と富裕層との所得がかなり乖離しているのも、かなりの問題だと思います。

では、どうすれば良いのか。
このヒント、私が昔読んだ、ドラッカーのマネジメントに書いてありました。
その本によると
現場ではたらく職人は、物をつくる、サービスを提供するという仕事を指定て、能力に応じて、それに見合った報酬をもらうべきだ。
それは管理者も同じで、管理者は管理という仕事をしているだけなので、その熟練度に応じた報酬であるべき。
そして、職人も管理も、仕事の分野が違うだけなので、両者の賃金に大きな差があってはならない。

と言った感じのことを書かれていました。

この主張は、ピラミッド構造の報酬形態を否定するもので、形的にはピラミッドではなく、形そのものが組織によって違ったものとなります。
本の中で具体例が挙げられていたので、その例を用いて説明すると、プロ野球という組織には、プレイヤーがいて、その人達を束ねる監督や技術を伝達するコーチ等が存在します。
これらの人は現場の職員ですが、このプロ野球組織には更に上の管理者が存在し、その上にオーナーがいる、形的にはピラミッド構造となる組織となっています。
しかし、報酬体系を見ると、必ずしもピラミッド構造にはなっていません。
技術やパフォーマンスが優れ、多くの観客を動員できる選手は、監督の報酬を超えることはもちろん、オーナーをも超える報酬を得ています。
つまり、組織の貢献度合いによって報酬が変化するという、本当の意味での平等な報酬体系になっていて、普通の大企業の様に、昔勉強ができたからというだけでスタートラインが違うだけでなく、最初に出遅れただけで報酬の上限まで固定されてしまうことはないんですね。

ただ、この方式だけで、完全に問題が解決できるとも思えません。
この方式だと、結局、収益と直接結びつき、結果が見えやすい部門が優遇されることになりますし、単純労働などは今と同じ様に冷遇されるでしょう。
しかし、現状のままでは問題があるので、徐々にでも体制を変えていく必要はあるのではないでしょうか。


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