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金融政策のゴールと格差拡大

日経平均が、5月高値以来のところまで上昇してきましたね。
先日、ラジオNIKKEIで聴いた話によると、15,000円のところでかなりのオプション売買が行われていたようです。
ここ数ヶ月の動きを見ると、15,000円以上が鉄板のように硬かったので、15,000円の所でかなりの攻防が行われていたようですね。
オプションというのは、防衛ラインを超えてしまえば意味が薄まるようなので、15,000円以上での滞空時間が長くなれば、壁としての意識はほぼ無くなるのかな。

今の相場をマスコミは【アベノミクス】と持ち上げ、安倍総理が作り上げたような印象付けを行っていますが、以前BLOGで投稿したように、今回の上昇相場に安倍さんは関係ないと思われます。
なので、今の株式相場は政治とは切り離して考えたほうが正しい判断が出来るでしょう。

今の相場の重要なキーワードとなっているのは、【雇用】だと思います。
先日、時期FRB議長となるイエレン米FRB副議長が、『金融政策のゴールは雇用だ。』とコメントを出したようです。
これはアメリカに限リません。先日ECBが利下げをした様に、世界中に広がって行くと思われます。
金融政策の目的が景気ではなく雇用になったことで、今後、一部の資産のみの価格が上昇し、格差はより拡大すると思われます。
今回は、そう思う理由を書いていきます。

まず、金融緩和によって雇用や設備投資に好影響が与えられているのかについて考えてみます。
今現在、世界中で行われている金融緩和政策は、金利を下げることで設備投資を促し、景気を再浮上させることを目的として行われています。
銀行貸出金利が低くなれば、企業は低コストで資金を調達できるようになる為、経済活動が活発になるという目論見ですね。
この理屈は、資金需要が強く、貸出金利の上昇によって経済が停滞している場合には有効な政策だと思います。
しかし、今世界経済の成長率が鈍化している原因は、この様なものではありません。

経済が停滞している主な原因は、供給過剰です。
先進国の各企業は生産性向上の為の投資を既に終えていて、生産能力が過剰な状態にあります。
過剰設備と過剰人員を抱えている為、金融政策によって市場に資金を供給して金利を下げたところで、企業は資金を借り入れてまで設備投資をすることは有りません。
例外としては、今後重要な市場となりうる後進国に自社製品を販売する為に、現地で設備を作ることはあるでしょうが、人件費の高い先進国に新たな設備を作ることは有りません。
また、後進国で生産を確立できれば、先進国の製造部門を移行できるため、先進国の雇用状況はますます悪くなるでしょう。
結果として、大量の資金を供給して超低金利状態を維持しても銀行貸出は増えず、設備投資も雇用状況も改善しない状態となっています。

次に、今後の企業が取るであろう行動について考えてみます。
先程も述べたように、企業は過剰設備と過剰人員を抱えています。
利益を追求する団体である企業が、業績を伸ばすために真っ先に考える行動は売上の拡大だと思われますが、それを行なうのが難しい状況なのであれば、次に企業が行うのはリストラです。
過剰設備と人員を整理し、企業を再構築して低コストで運営出来るように考えるのが自然な流れだと思われます。
しかし、人員整理などはそんなに簡単に出来るようなものでは有りません。
多くの国では理由のない解雇は認められないでしょうし、求人が減っている状況で積極的に辞職する人も少ないでしょう。
この様な場合、定年退職によって減った人数以下の人数を新規採用し、社員の自然減を行います。
これが、世界中で起こっている若者の就職難です。

つまり、設備過剰状態下の今の経済は、金融緩和によって何も改善しないということです。
では、金融緩和によって市場に放出している金は何処に向かっているのか。それは、一部の金融資産に向かっています。
大規模金融緩和を行ったアメリカでは、企業が有り余る資金を利用して自社株買いを行っており、それによって株価が史上最高値を更新している状況となっていますが、この様な事はアメリカにかぎらず、世界中で起こると思われます。
不動産についても同じく、世界中で、売買が行い易く立地の良い一等地の価格が上昇しており、バブル状態となっています。

以上のように、量的金融緩和で雇用状況等は改善していませんが、金融政策によって供給されたお金によって、一部資産のバブルが起こっています。
資産をある程度有していて、このバブル相場に乗れる人は、この金融政策で恩恵に預かれると思われますが、そうで無い人や現在失業中の人については現状が改善する事はなく、場合によっては悪化する場合もあるでしょう。
結果として、持つ者と持たざる者との間で、格差が拡大すると思われます。
しかし、この政策のゴールを【雇用】としたことで、この政策を転換することが出来きなくなった為、この流れはますます加速するのではないでしょうか。
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