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日本経済の停滞と住宅市場

日本で経済が停滞していると言われてからかなりの時間が経ちますが、一向に改善する気配が有りません。
過去の投稿でも何度も主張していますが、安い人件費の国に囲まれている日本の人件費は、第二次産業から第三次産業へのシフトを行わない限り、不可能だと思われます。
私は、日本の今の景気停滞の大きな原因は、日本の住宅事情が大きく関係しているのではないかと思います。
日本の住宅市場は他の先進国に比べ、圧倒的に新築需要しか有りません。
これが何を意味しているのかといえば、中古住宅の売買が殆ど行われていないことを示しています。
グーグル先生によれば、具体的には全体の住宅供給量の内、フランス・アメリカで70~80%前後、イギリスで90%が中古市場なのに対し、日本では10%程度しか売買が行われていません。
これは、日本ではいざ住宅を売却しようと思っても、売却しづらく、住宅が資産の役割をしていないことを意味しています。
更にいえば、日本の不動産の建物は、購入後一定期間が過ぎると資産価格がゼロとなり、住宅が資産ではなく負債になっている事も少なくないように思えます。
この負債が可処分所得を減少させ、経済を停滞させる大きな原因になっているのではないでしょうか。
今回は、このことについて書いていきます。


先程も申しましたが、日本では住宅販売の9割が新築となっています。
日本では25年で建物の価値がゼロで計算されるため、25年以上住んだ不動産には土地価格以上の価値は有りません。
もっといえば、住宅が立っている状態の土地を購入して新築を建てる場合、取り壊す費用が発生する為、人気がある立地でない場合は、取り壊して販売するか取り壊し費用を値引きして販売することになります。
土地価格3000万円+建物2000万円の合計5000万円で購入した不動産を25年以上住んで売却する場合、3000万円、もしくは、取り壊し費用を引いて2700万円ほどでしか売却できないということです。

では、この5千万円の住宅を購入する為に、1000万円を頭金にして35年ローンを組んで4000万円を借り入れたとします。
この4000万円を返済する場合、利息を含めて最終的にどれ位の金額になるかといえば、金利にもよりますが、変動の2.5%で借り入れた場合で約6000万円。
20年固定の4%で約7500万円程度となっています。
頭金1000万円をを足した金額でいえば、返送2.5%の場合で7000万円。固定4%の場合で8500万円程度となります。
この物件をローン終了後に売却する場合は、上記しましたが、3000万円程度でしか売却することが出来ません。

では、国民の所得を見てみましょう。
日本人の平均所得は、平成21年度調査で547.5万円だそうです。
しかしこの金額は、一部の高所得者が平均値を上げているため、実際には200万円~400万円の人間が一番多く、平均所得以下の所得の人が全体の61.3%を占めています。
厚生労働省 所得の分布状況
平均賃金


単純計算をし、手取り年収400万円で40年働いた場合、生涯賃金は1億6千万円となります。
先程も述べましたが、5千万円の住宅を購入するのに固定金利の場合8500万円掛かり、これを売却する際には3000万円程度の為、差額で5千万円の売却損が出ます。
また住宅を購入した場合、固定資産税や保険料・修繕費積立などを行わなければなりませんし、実際に価格住宅関連費用は更に掛かります。
つまり、年収400万円の人が5000万円の住宅と呼ばれる資産を購入した場合、それだけで5000万円以上の損金が発生することとなります。
これは果たして資産なのでしょうか。

ではその一方で、イギリスやアメリカはどうでしょうか。
これらの国では住宅供給の80~90%が中古市場で、住宅価値も、メンテナンスをしっかり行えば下がらず、購入後にリフォーム工事などを行って改善することで、逆に価値が上昇したりします。
住宅価格が購入価格から下がらず、手を加えることによって価値が上昇するのであれば、住宅は立派な資産となり、住宅関連費用は住宅価格上昇のための投資となえます。
以前聴いた話によると、欧米では夫婦二人暮らしの時は小さめの家を、子供が出来たらそれに合わせて大きな家に移り、子供が巣立ったらまた小さな家に移るというように、ライフスタイルに合わせて住宅を買い換える習慣があるそうです。
しかし、この様な習慣は、住宅価格が買った価格から大きく値下がりせず、メンテナンスによっては価格が上昇する市場があって初めて成り立つ習慣ではないでしょうか。


日本は他の先進国に比べて失業率も低く、リーマン・ショックによる被害もさほど大きくないのにもかかわらず経済的に停滞し続けているのは、一生で一度の買い物と呼ばれている不動産によって大部分の金融資産が失われ、それにより可処分所得が減少し、消費行動が抑えられているのではないでしょうか。

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