FC2ブログ

農薬を使用した作物は、危険なのだろうか?

先日読んだ本【迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか】に、殺虫剤の毒を減らそうとあらゆる努力をしている有機農家は、結果的に天然の毒を増やしているというわけだ。という内容が書かれていた。

もう少し具体的に書いていこう。
自然界の植物は、全て毒を有している。
何故毒があるのかというと、植物は動きまわることも出来ず手足もない。
そんな植物が、害虫や雑菌等から身を守る為に身につけた能力が、毒を生成する能力のようだ。

クローバー・さつまいも・大豆に含まれるフィトエストロゲンは、女性ホルモンに似た物質で、大量に摂取すると生殖能力を狂わされる。
小麦・豆・じゃがいも はどれも、炭水化物の吸収を阻害する性質を持つアミラーゼ阻害物質を含んでいる。

しかし植物は、無差別に毒を作り出しているわけでもないようだ。
植物が毒を生成するのは、先程も書いたが外敵から身を守るための防御反応だ。
植物が作り出す果物は、動物に食べてもらった後、その地点から離れた位置で種ごと排泄してもらうことで、繁殖地域を増やす。
この果物に動物を殺すような毒が入っていると、動物に果物を食べてもらえず、植物はテリトリーを増やすことができなくなる為、植物にとっても都合が悪い。
しかし、葉や茎を囓る害虫や雑菌に対して無防備でいることは出来ない。
そこでこの手の植物は、害虫や雑菌にとっては有毒だが、動物にとっては無害な毒を生成する。

つまり、この植物が生成する毒が、全て人間にとって有害な毒ではない。
雑菌だけに効果のある毒や害虫のみに効果がある毒等、毒の種類も様々で、量や摂取の仕方によっては、人間にとって薬になる場合もある。
中国で古くから使用されている漢方薬も、この植物が作り出す毒を利用している。
当然のことながら、植物は人間にとって無害で薬になる毒ばかりを生成してくれているわけではない。
人にとって有害な毒を作り出す植物も存在するし、少量では問題はないが、大量に摂取すると有害な毒を作り出している植物もある。

また、植物が毒を作り出すのは防御反応なので、害虫などにかじられることにより傷ついたり、干ばつ等の環境の悪化でで全滅の危機に貧した時など、毒を普段より多く生成させるようだ。
最初に書いた殺虫剤の毒を減らそうとあらゆる努力をしている有機農家は、結果的に天然の毒を増やしているというわけだ。という言葉の意味が、ここでわかると思う。
無農薬有機農法の場合は、農薬によって害虫駆除などを行うことが出来ない為、手回かかる一方で野菜は害虫などによって傷つけられる。
その結果、植物が防御反応を起こし、毒性をより強めるというわけだ。


この部分を読んで気になってネットで調べたところ、結構いろんな記事が発見できたので、少し紹介してみよう。

やる夫で学ぶ無農薬野菜の危険性
この記事では、農薬や他の物質についての危険度・安全性が書かれている。
少し抜粋すると
マウスやラットに一度にどれぐらいの量を摂取させたら半数が死に至るかを体重1kg辺り何mgという量で表したものを半数致死量(LD50○○mg/kg)と呼ぶ。
経口摂取の場合30mg以下なら毒物、300mg以下なら劇物、それ以上なら普通物だ。
数値が小さいほど毒性が強い訳だな。
いくつか例を挙げると
破傷風菌毒素で0.000002
ダイオキシンは諸説有るが0.0006~0.002、
フグ毒のテトロドトキシンで0.01
トリカブトで0.05~0.1、青酸カリで3~7、
タバコのニコチンで1~7
唐辛子などのカプサイシンで47.2。

そろそろ無農薬/有機栽培野菜に対する盲信を見直してはどうか
この記事では、無農薬野菜・有機栽培野菜に対し、盲目的に安全だと信じる人に対しの警告が書かれている。
一部抜粋すると
植物は病害虫などのストレスを受けると体内に天然農薬とも言われる生体防御物質を生成することが知られている。
1990年、米カリフォルニア大学のB N Ames博士らは、アメリカ人の食事に含まれる農薬物質の99.99%が植物由来の天然農薬であるという調査結果を公表した*1
1990年当時52種類の天然農薬の発癌性に関して試験がなされていたが、その内の27種類の天然農薬に対して発癌性が認められている。

またまた誤解の無い用に書いておくが、無農薬有機農法で栽培された野菜が危険で、直ちに人体に影響があるというわけではない。
常人が食べきれないほどの大量の野菜を毎日食べ続けるようなことをしない限り、致死量に達することもないし、病気になることもないだろう。
しかし、このことは農薬を使った作物にも言えることではないだろうか。

日本国内で使用されている農薬は、農薬取締法によって運用が細かく決められている。農薬取締法
また、規定値を超える農薬が検出された場合、出荷そのものが出来ない。
さらにいえば、現在使用されている農薬は、毒性の強いものばかりでなく、無害なものも多く使用されているようだ。
日本で農薬として認められ、正しく使用されていた食物であれば、通常の量を毎日食べても健康被害はないだろう。
そして農薬も、植物が防御反応で自ら生成する毒と同様、人体にとって悪影響を与えるものばかりではない。
虫は殺せるが、人体にはほとんど影響のない成分だったりする。
雑菌にのみ効果のある、抗生物質のような農薬も存在する。

たまに無農薬野菜信者で『虫が死ぬんだから人体にも影響があるはずだ!』と言い切る人がいるが、この様な主張をする人たちは、蚊取り線香を使用している家に入る時は、ガスマスクを着けるのだろうか?

先ほど紹介した記事によると、トウモロコシは害虫に弱く、また、害虫にかじられると高確率で傷口にカビが繁殖し、このカビは、高濃度の発がん性物質を含んでいるようです。
カビの種類によっては、200度の加熱で2時間加熱しても3割しか除去できないカビも存在する様で、この様なカビが発生する地域では、最初から害虫がつかないように農薬を使用した方が、人体にとっては安全といえる。

テレビや雑誌等、一方的に情報を押し付けるメディアでは、無農薬有機栽培を過剰に評価している様な記事をよく見かけるが、正直に言わせてもらうと、この様な報道姿勢には疑問を感じてしまう。
私は別に、無農薬有機栽培で作られた野菜が危険だと言うつもりはない。
しかし、農薬を使っているというだけで、過剰反応する必要もないのではないだろうか?
(誤解のないように言っておきますが、ここで書いたのは国内生産分に限ります。外国で生産されて輸入している食物まで安全だと言っているわけではありません。)
関連記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://dorufurusu.blog33.fc2.com/tb.php/320-c3311cc4