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景気の気は、気持ちの気?

安倍政権が誕生し、アベノミックスという言葉が生まれ、去年年末(2012年)から年初(2013年)にかけて円は下がり株価は右肩上がりですね。
持ちの持ちようとは言いますが、明確な円安支持と、公共事業による需要の創造。
これらの方針を示しただけで特に何かが行われたわけではないのに、ここまで景況感が改善するとは、ハッキリいって予想外でした。
何が切欠であれ、景気が上向きになって人々の生活が楽になれば、それにそした事はありませんね。


しかし、では私自身の【金融緩和をしただけでは何も変わらない】というこれまでの意見が変わったのかというと、実はそんなに変わっていなかったりします。
というのも私の考えは、今の不景気や賃金低下の原因は、金融緩和が足りない事だからではないと考えているからです。
私が前から主張しているデフレの原因を簡単に書くと

・情報通信技術
・生産機械
・情報処理技術

これらの技術の発達によって、一人でこなせる仕事量が飛躍的に増えたことにあると考えています。
独りでできる仕事量が増えるということはどういうことか。
それは、会社がより少ない人員で運営できることを意味します。
経済学者の方たちは、一人が5倍の仕事量をこなせるようになるのなら、同じ人員で会社の売上を5倍に増やせると考えるのでしょうが、机上の空論を考えていれば仕事が成り立つ学者では無い私達は、この理論に無理があることはすぐに分かるでしょう。
生産量が増えても需要が足りなければ、需要と供給の関係で価格競争に突入し、消耗戦をするしか道はなくなります。
結果として売上は思ったように上がらず、会社経営は苦しくなるでしょう。

では、一人あたりの生産量が増えた時に経営者が何を考えるのか。
それは、人員整理による固定費の削減です。
日本のように簡単に人を解雇することが出来ない国では、希望退職者を募るか、新規採用を減らすことで長期的に人員を減らしていこうと考えるのが普通でしょう。
このようなことが行われると、結果として労働市場で人余りが生じ、需要と供給の関係から、国民の受け取り給与や失業率に影響を与えます。
先日為替ラジオでYEN蔵さんが『日本は他国に比べて失業率が低いから、給料が下がってデフレの原因になっている』と仰ってますが、私はこの意見に賛成です。
労働市場で人が余っている状態で失業率を下げようと思えば、労働力を安売りするしかありません。
労働力を安売りするとは、言い換えれば安い給料で働くということです。
私自身は、これらのことが原因で給与の低下が起こっていると考えています。

この給与の減少は、技術の発達によって起こっているので、基本的には金融緩和などでは解決しないと思われます。
ここで、『技術の発展は世界中で起こっているのに、日本だけ長期デフレになるのはおかしい』という疑問が出てくるでしょう。
このことに関しての私の意見は、単純に国の成熟度が関係していると思われます。
一昔前、日本は国民総中流といわれるほど、皆が一定水準以上の生活をしていました。
このことは、日本のほとんどの世帯に生活必需品が行き渡っていることを意味します。
しかし外国はどうでしょう。
後進国では、所得が低くてまだまだ生活必需品が満足に揃えられない世帯が多いですし、アメリカは年間200万人以上の移民を受け入れています。
これらの【生活必需品が無い人】や【移民】は、そのまま潜在需要となりますので、日本に比べると生産に対する需要は多いと考えられます。

しかし日本は、少子化による人口減が始まり、移民受け入れも行なっていません。
日本にかるのは買い替え需要ぐらいなので、生産に対する需要は外国に比べて少ないと考えられます。
技術が進んで生産量は増えているのに、消費する人口も同期も少なくなっている状態では、どうしても需要不足になってデフレになってしまうのではないでしょうか。

つまり、日本のデフレ・景気の停滞は、金融緩和が足りないといった理由で起こっているわけではないと考えられます。
この状態で金融緩和を行い、日銀に圧力をかけて日本円の価値を引き下げて円安にした場合、どういったことが起こるか。

最も恐るべき事態は、輸入物価のみが上昇し、給料はそのままの状態という庶民にとっては最悪の状態です。
この状態になれば、庶民の生活は苦しくなるだけです。
円安になれば日本製品の競争力が増え、輸入産業中心で景気が回復するとおっしゃる方もおられるでしょう。
しかし、その水準になるまでには、円はどれほど下落しなければならないのでしょう。
日本の製造業が競争している相手はアメリカではありません。
日本人よりもはるかに受け取り給与が安いアジア各国です。
アジアの中でも進んでいる中国韓国の一流大学出身のエリートの年収は60万程度の様です。その上、その他の後進国の人件費はさらに安いでしょう。
これらの国と闘おうと思った場合、どれほど円が安くならなければならないのでしょう。
そして、アジア各国と価格競争が出来るほどの円安が仮に実現した場合、日本の輸入物価はどれほど上昇するのでしょうか。

これらのことを考えた場合、とてもバラ色の未来というものを想像することはできません。
もちろん、最初にも行ったとおり、景持ちのですので、今の株価の上昇によって予想以上に消費が伸びる可能性もあります。
製造業の業績が思ったように伸びなくても、サービス業中心で景気が持ち直す可能性もあるでしょう。
そうなってくれれば、日本に住む私としては、何の文句もないのですけれどもね。



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