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【本の紹介】 ザッポス伝説 後編

前回の続きです。



顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか


ある日、トニーの投資ファンドに一件の投資案件が持ち込まれます。
その案件とは、靴のインターネット販売会社の立ち上げです。
しかし、この時点では実質営業自体は行われていない状態でした。

案件を持ち込んだ人間は、インターネットでも靴を買う人間がいるのだと証明するための実験として、靴販売会社のホームページを立ち上げ、メールで依頼があれば、その靴を自身が販売店に赴いて購入し発送するといったことを行なっていました。
この話を聞いたトニーは、当初興味を全く示しませんでした。むしろ、ネット販売店の典型的な失敗事例だとすら思っていました。
何故なら、殆どの人が靴を購入する際、試着をして書き心地を確認してから購入します。
しかし、ネット販売では試着を行うことが出来ませんので、この様な事業が軌道に乗るはずがないと考えたのです。
普通の感覚を持っていれば、当然の判断だといえるでしょう。
しかし、ファンドの共同経営者から、靴販売の5%は、既に紙媒体のカタログ販売で行われているという事実を聞かされます。
靴の市場規模はアメリカで400億ドル市場で、5%のシェアということは20億ドルの市場だということに気がついたトニーは、自分が試着するかどうかが重要なのではなく、試着せずに靴を購入する人がちが既に存在することの重要性に気が付きます。

依頼をすぐに断わることより、少なくとも話を聞いている価値はあると判断したトニーは、早速依頼人とミーティングを行います。
そこでわかったことは、彼には靴の販売経験や知識はないが、この事業に対する情熱は有るということでした。
依頼を受けることを決断したトニーは、その後この事業にのめり込んでいく事となります。
詳しくはこの本を購入して読んで頂きたいのですが、ザッポスは順風満帆で成功した事業でわありません。
軌道に乗るまでには、かなり危険な場面が数多く有り、常に綱渡り状態での経営だったようです。
危機の度にトニーが自分の資金を会社に入れることで何とか経営を継続できる状態は維持していましたが、その結果、トニーは全財産をザッポスに捧げる事になってしまいます。

何故そこまでしてこの会社の為に尽くしたのか。
それは、トニーにとって優先度が高かったのが、金ではなくて人だったからでしょう。
全財産をつぎ込む際に、彼は様々な事を考えました。
昔を振り返り、過去の数々の出来事を思い出しました。
その結果、自分が充実している時に何時も傍にいたのは、金ではなく人だったからです。

彼は、仲間と同じ方向を向いて一丸となって突き進んでいる時に幸せを感じ、逆に、多額のお金を得ていても、皆が違った方向を見ている状態では情熱が湧かず、虚無感だけが彼を支配していることに気が付きました。
彼がリンクエクスチェンジを辞めたことが、この典型例でしょう。
リンクエクスチェンジが急成長し、大量の人材を短期間で雇った時、オフィスの中には知らない顔ばかりでした。
社員の意識も、会社をよりよい方向に導くことよりも、地震の昇進や昇給、ステップアップの為のキャリア作りといった方向を向いており、共に一つのことに向かって突き進んでいるような状況ではありませんでした。
彼はその状況に耐え切れず、多額の損失を負ってまでマイクロソフトを退社しています。
しかし、ザッポスはその逆でした。
会社の経営は綱渡り状態ではありましたが、皆が会社を良い方向に進めるためにはどうすれば良いのかを真剣に考えていました。
彼は、たとえ全財産を失ったとしても、この環境を壊したくはなかったのでしょう。

これは、僕がこの本を読んでの個人的な感想にはなりますが、彼がこの本で

【金よりも、仲間との充実した人生を楽しむ方が価値がある。】

ということを言いたかったのではないでしょうか。



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