FC2ブログ

デフレの原因は、日銀以外にはないのか

前回から随分間が開いてしまいましたが、続きを書こうと思います。
前回の記事はこちら

今回は、デフレの原因は、日銀以外にはないのか。について。
ではまず、そもそもデフレに成る原因は何なのかについて考えていきます。

テレビのワイドショー等でたまに耳にするデフレスパイラル
もっともらしい解説と共に紹介されると、この子難しい単語が全ての元凶のような気もしてくるでしょう。
しかし、今のデフレや不景気と呼ばれている現象は、今まで言われていたデフレスパイラルが原因ではありません。

一応デフレスパイラルを簡単に説明しておくと

物が売れなくなるので値下げをする。
 ↓
値下げをすると企業の利益が目減りする
 ↓
企業業績悪化により、従業員給与の伸び悩み、もしくは、カットがおこるようになる。
 ↓
給与が増えないことにより、消費者が消費を削ることによって物が売れなくなる
 ↓
最初に戻る。

という負のスパイラルが【デフレスパイラル】と呼ばれるものです。

今現在の日本は、この状態にはありません。
そもそもこの流れは、一国内の話のみに商店を当てた理論なので、鎖国状態の国でもない限り当てはまることはないでしょう。
では、物の価格が下がったり給料が上がらない原因は何かというと、グローバル化です。

情報技術の発達により、地球の反対側の人間ともリアルタイムで会議ができる現在では、賃金や土地価格が高い先進国に生産拠点を置く意味が余りありません。
製品の品質管理と運送費用を考えた上で、日本で作るよりも後進国で作る方が低価格で満足できる品質の物が出来ると思えば、企業は生産拠点を海外に移して生産します。
その結果として、日本では工場閉鎖等によって労働力が余る事になり、労働需給が緩みます。
労働力の需要と供給のバランスが崩れ、供給の方が多くなれば、当然買い手市場となるので、賃金は下落します。
企業のこれらの行動により、モノと労働者の給料が下がる事が、デフレ・不況の主な原因だと考えられます。

さらに言えば、日銀の仕事は通貨の信用を守ることであり、グローバル化によって生産拠点が海外に逃げるのを防ぐことは仕事の範囲外です。
日銀が通貨を発行する事で円の信用を落とし、円安にすれば海外との賃金格差も緩和すると主張する方も居らっしゃるでしょうが、中国の労働賃金は、インフレで高くなったとはいえ、内陸部にいけば日本の10分の一ほどですし、ベトナムやバングラディシュ等の他の地域と比べると、賃金格差は更に大きくなるでしょう。
日本円が、東アジアや東南アジアの国の通貨と比べて10分の一ほどの円安になれば、賃金の安さで競うことも出来るでしょうが、日銀批判派はそこまでの円安を望んでいるのでしょうか。

さらに、そこまで円安にすればまた別の問題が浮上します。
それは、輸入品価格の上昇です。
資源のない国日本は、ほとんどのエネルギーを輸入しているわけですから、それらのエネルギー価格は大幅に上昇する事となるでしょう。
そうなれば、多少給料が増えたとしても、増えたエネルギー代で給与の上昇分は消し飛ぶわけですから、給与上昇による好景気は起こりづらいでしょう。

また、円安に成ることで国際競争力が付くと仰る方も居らっしゃるでしょうが、今の日本企業は、長期的な円高傾向から脱却できないことを想定して、円がどの様な状態になっても利益が出るような企業体質に変化してきています。
例えば、、消費する国で生産するなどすれば、為替差損が存在せずに一定の利益は確実に儲けることができます。
輸出企業というのはビジネスをしているのであって、円相場を使ったギャンブルを行なっているわけではないので、為替相場に左右されない体質づくりをするのは当然のことでしょう。

よって、日本のデフレの原因は円の供給不足ではないので、日銀がいくら資金供給を増やしたとしても、何の意味もない。
だいたい、円を供給したり日銀が国債を買い上げたりする事で得られる効果は金利の下落ぐらいですが、今の日本の1%前後の金利が半分の0.5%になったところで、劇的に資金需要が増えるとは想像できないのではないでしょうか?

更に根本的なことを言ってしまえば、デフレもインフレも、基本的には人々の生活には大きな影響を与えない。
例えば、今まで30万円の給料を貰っていた人が、デフレによって賃金を減額されて20万になってしまった場合、額面では10万円下がって手取りが3分の2になってますが、他の物価も3分の2になっていれば、生活水準は変わりません。
逆も同じで、給料が倍の60万になった場合でも、他の物価が2倍になってしまえば、受けられるサービスは同じということになるので、生活水準が改善されることはありません。
これらの事は、日々勉強を積み重ねている国会議員の方たちは当然解っているでしょう。
にも関わらず、何故日銀批判をし、悪者にし、全ての元凶が日銀にあるのかの様に責め立てて通貨発酵を促すのか。
考えられるのは、デフレからインフレへと移行する事により変化する現金資産の価値に注目しているのではないでしょうか。
関連記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://dorufurusu.blog33.fc2.com/tb.php/297-bb16c8a5