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スイスが無限介入を宣言。日本は?

先日、スイスが対ユーロでのスイス・フランの上限を1.2で固定する。と宣言しました。
為替相場というのは宣言だけでは価格は固定できないので、1.2以上までスイス・フランが買われた場合、無限にスイス・フラン売り介入をするという宣言ですね。
このスイスの動きをみて、『日本も同じ様に円高に対して対処しろ』という議論も聞きますが、日経CNBCだけは『スイスと日本とでは経済規模が違うので、同じ行動を取ることは不可能だ』と冷静な意見を伝えていました。
今の時代、どの情報が信じられる情報なのかというのを、改めて思い知らされました。
取り敢えず、経済系のニュースに関しては、地上波ニュースは余り信用はできないというのが、個人的な意見です。

前置きが長くなりましたが、今回は円高について考えてみたいと思います。

日本の地上波ニュースや新聞などでは、『今は円高だ! この円高水準を、政府はどのようにして是正するつもりなのか!』
という意見をよく聞きます。
しかし、改めて冷静に考えてみましょう。
日本は本当に円高なのでしょうか?
今が異常な円高で、円が不当に高くなっている円バブルなのであれば、日本政府は円を売って外貨資産を大量に購入すれば、円バブルが弾けて円安に向かえば政府は大儲けできるので、其の様に行動すれば良い。
しかし、そうではなく、今の水準が円高水準でないのであれば、海外資産を購入しても儲けることが出来ず、今後円高方向に進んでしまえば、政府は大損してしまう。
本当のところはどうなのでしょうか?
結論から言うと、今は円高ではない。

理由としては、購買力平価でみると、今の水準は決して円高とは言えない。
日本はバブル崩壊から、ずっと物価は下落傾向にあるが、その一方でアメリカは物価は上昇傾向にあった。
物価とお金の価値というのは、相対的に決まる。
お金の価格が下落すると、シーソーゲームの様に物価は上昇し、逆にお金の価値が上昇すると物価の価値は下落する。
日本の物価が下落し続けているということは、その間日本円の価値が上昇し続けてきたということであり、アメリカの物価が上昇し続けてきたということは、アメリカの貨幣価値が下落していたということだ。

日本とアメリカとの間にインフレ率の差が1.5%ある場合、20年間で単純に考えて30%近く差が出る(厳密に計算すると数字は狂うが)。
インフレやデフレを、貨幣価値を基準にして考えるから頭がこんがらがるのであって、物の価値を基準に貨幣価値を考えるとわかりやすい。
アメリカが20年間で日本に比べて30%の物価上昇しているというのは、言い換えれば米ドルの価値が20年で20%失われたのと同じ事だ。
つまり、20年前から考えて30%の円高が進んだとしても、物価を換算すれば為替相場は変化していないのと同じこととなる。

一番わかり易いのは、海外旅行に出た場合だ。
同じ様な製品を購入する場合に、日本で買うほうが割安だと感じるのであれば円安であり、アメリカで買うほうが割安だと感じるのであれば、円高だ。
現に今現在スイスの人たちは、スイスフランでスイス国内で日用品や生鮮品を買うよりも、ユーロに変換してスイスで買うほうが安いということでフランスまで行って購入しているらしい。
この様な状態であれば、スイス・フランはユーロよりも割高だと言えるだろう。
しかし、日本とアメリカとの間に、ここまでの物価の差があるだろうか?
米国で売られている【卵】は、6個入りで70円程で売られている。
日本でも、10個入りのパックが100円前後で売られているので、卵で見ると、今の為替水準で物価の差はない。
この様な、価格で通貨を判断する指数としてビックマック指数というものが存在する。
ビックマック指数とは【世界中で売られている、同じ品質の商品】で書く通貨を比べて模様という指標なのだが、これで見ても今現在は円高水準ではない。
ビックマック指数で見る各国の為替相場を紹介しているサイトがあったので、ここでその水準を紹介しておく。

ビッグマック指数でみる現在の円ドルレート
ドルは 1ドル 78.62円 8月30日クロスレート 77.92円
ユーロは 1ユーロ93.02円  8月30日クロスレート 113.13円
ポンドは 1ポンド133.89円 8月30日クロスレート 130.19円
豪ドルは 1豪ドル70.18円 8月30日クロスレート 84.14円
スイスフランは1フラン49.23円 8月30日クロスレート 84.14円
ブラジルレアルは1レアル33.68円
南アフリカランドは1ランド 16.41円
これで見ても、今が異常な円高水準ではないということが分かる。
もっとも、ビックマック指数そのものが参考程度に使われている指標ではあるのだが、完全に無視して良い考え方でもない。

以上の理由で、今は円高とは言えない。
この意見は極端に感じるかもしれないが、今のニュースの報道の仕方が【円高】を全面に押し出した表現が多い為、敢えて逆の意見を極端に書いてみました。
あくまで個人的な考えですので、情報のご利用は自己責任でお願いします。
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ブログ名:「Funny Restaurant 犬とレストランとイタリア料理」

こんにちは。経済だろうとなんだろうと、絶対に当てはまる法則があります。「Action speaks louder than words」。 あれこれ口先だけの評論家よりも、実際にそれに直接の利害を持っている人の行動を見れば、かなりのことがわかり真実が見えてきます。新聞・テレビなど、最近このような姿勢で報道しません。しかし、こういう見方をすれば、アメリカのデフォルト危機などただの煽りであることがすぐにわかります。日本の財政破綻だって同じことです。このようなことを喧伝する新聞・テレビには、それなりのわけがあります。しかし、短期利益的な見方で、このような報道姿勢を続けていれば、今のメディアはユーザーからの信頼を失い、没落していくのみとなると思います。詳細は、是非私のブログを御覧になってください。
[ 2011/09/10 10:03 ] [ 編集 ]

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