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賃貸住宅の礼金・中途解約時の返還命令について思う事

最近
一年契約で物件を借りて、敷金礼金を払って入居したが、入居者の都合で2ヶ月で物件を解約する事になった際、【礼金】の返却が無かった為、借り手が大家を訴えるという事件があり、その裁判の判決が簡易裁判所で出た。
というニュースを聞いた。

訴えた側は、【礼金】というのはそもそも意味がわからない。
礼金の支払いを義務付けしている契約条項そのものが無効。
といった訴えでした。
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http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110414/trl11041401310000-n1.htm

裁判結果は、礼金は家賃の前払いの一種なので、支払い義務そのものは有効だが、途中契約時に返さないという条項は無効だという結果に。
結果として、12万のうち9万円を返還するような判決だったのだが。。。

正直、ふざけるなとしか言いようが無い。

契約書に記載してあるのに、「消費者利益を一方的に害し無効」という理由で、契約が無かった事にされてしまえば、何のために契約なのかがわからない。
借り手は、敷金・礼金無しの物件を選ぶ権利があるのだから、礼金を払う事が不満であれば、礼金が無しの物件を選べば良いだけの話。
また、1年以内に部屋を出るのであれば、マンスリー契約出来る物件を探すべきだろう。

礼金が必要な物件を契約書に同意して1年契約で借りておいて、2ヶ月で出るから金返せ!というのは、消費者にとって一方的に有利な話ではないだろうか?

今回の件は、訴えが3月なので、不動産市場の繁忙期からはずれていた契約だったかもしれないのだが、一度判決が出てしまえば、どの時期に契約を破棄しても、判例があるということで、大家は礼金を返さなくてはならないだろう。

また
この裁判官は、不動産市場のことを普通の人以上に知らないのではないだろうか。

不動産のレンタル市場というのは、春前から春の時期にかけて、借り手需要が急激に増す。
これは、勤務先の移動や学校の入学・卒業などの、人の環境の変化による移動が春の時期に集中している為、皆が移動に合わせて部屋を借りる為だ。
大家としては、この時期を逃せば借り手が付かなくなり、一年間空室のままという最悪の状態になってしまう事もある。

これを防ぐ為に、春時期に出来るだけ客を取り、キャンセルや客都合の契約破棄のリスクを出来るだけ減らすために、礼金を一定金額取るという習慣があったのだろう。
契約を途中で一方的に破棄されたとしても、礼金を返還せずに大家が取る事で、一年間空室のままになった場合の損失を一定割合補えるわけだ。

訴えた側や裁判所は、このリスク軽減の為の集金を『消費者利益を一方的に害している』として無効だとしたわけだが。。。

こうなると、大家側はリスク低減の為に、別の方法を取らざるをえなくなる。
別の方法とは何かというと、真っ先に考えられるのが、契約破棄によるペナルティーを重くするということだろう。
しかし、礼金が『消費者利益を一方的に害し無効』といわれているのだから、ペナルティーを重くしたとしても、ペナルティーも無効だといわれかねない。

そうすると、大家が取れる方法はただ一つしかなくなる。
そう
【家賃の引き上げ】だ。

家賃を引き上げる事で、契約を途中で破棄したときの損失をカバーするしかなくなるわけだが、少し考えてみれば分かることなのだが
この構図は、契約を守って契約満了まで住んで家賃を払っている人が、一方的に契約を破棄する人たちのお金を補填する事となる。

つまり、正直者が馬鹿を見る。

この世にある全ての物件に【敷金・礼金】が存在し、全ての物件が【年単位の契約】であるのであれば、消費者が一方的に不利だというのもわかる。
しかし現在は、敷金・礼金の有無や、契約単位を借り手が選びながら物件を選ぶ事が出来る時代だ。
敷金・礼金を払いたくないのであれば、払わなくていい物件を高い家賃を出して借りればいいだけで、月契約がしたいのであれば、月契約の物件を捜せば良いだけの話だ。

その努力せずに、敷金・礼金がある1年契約の安い家賃の物件を借り、2ヶ月しか住んでないんだから金返せ!というのは暴論でしかない気がする。
この様な、一方的に消費者が強い構造を造ってしまうと、結局のところ
供給側が萎縮して新規参入などが減ったり、損失回避の為に、借り手が契約でがんじがらめになってしまったり、そもそも物件を借りる事が出来なくなるということを考えるべきだと思う。
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