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人は0.5秒で選ばれる 著 重田みゆき

人は0.5秒で選ばれる!―チャンスが20倍増える、印象力の磨き方

この本は、【ホンマでっかTV】に時々出演されている、重田みゆきさんが書かれた、印象を高めるための本です。

本を読んでの個人的な感想としては、非常に読みやすい本でした。
難しい言葉を使わずに人に話しかけるような感じで書かれている為、スラスラと読むことが出来ます。
本を読むのが早い人なら、書店で立ち読みで済ませることが出来るぐらい手軽に読めます。
話口調で書いて有るため、所々で【○○ですよぉ。】等と記載されている部分がありますが、個人的にはこのような書き方は悪い印象を受けてしまいました。

内容を簡単に説明すると、タイトルに【0.5秒で】とあるように、パッと見で好印象を与えるための方法が多く書かれています。
姿勢や顔の向き、笑顔の作り方やしゃべる際の筋肉の使い方、服装についてなどが主な内容で、自分の過去にあった事を例に挙げながら説明してあります。
基本的な流れとしては、過去の自分は駄目な人間だったけど、印象力を磨くことで乗り切れた!って事が状況を変えて繰り返し書いてあります。
印象力を身につける本ということで、過去のエピソードは【印象力によって全て乗り切った】といった【印象力こそ全て】と強調するような書き方なので、若干、胡散臭さを感じてしまいました。

気持ちの持ち方や服装の選び方などは、一応は書いてはありますが、結構抽象的な書き方がされており、本だけではいまいち伝わってきませんでした。
例えば服装の場合、『その場所の雰囲気にあった服を着ましょう。私は、雰囲気がわからないパーティーなどがあった場合、数種類のドレスを用意して早めの時間に会場をみて、その後雰囲気を掴んでホテルの別館で着替えてくる』
といった事が書かれていますが、服のセンスのない人はどのような雰囲気の場合はこの服といった事が分からない場合もありますし、自分が分かっているつもりでも世間とセンスがズレている場合もあります。
このような場合のフォローはされてないので、この本を購入すれば全てが解決するといった感じの本では無いです。
マナーやファッション関連の本を別に購入し、補足する必要があると思います。

ここまで読むと、買う価値がないのか?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、今まで【印象】や【見た目】に全く関心がなかった人などは、読むことによって意識改革は出来ると思います。
服装や体型のの重要性などがくり返し書いて有る為、人の目を全く意識していなかった人などは、この本を読むことで自分を変えようと思うきっかけになるでしょう。
値段もそんなに高くはなく、読むのに時間がかかるわけでもないので、外見の重要性を意識していなかった人は、読んで損はないと思います。
既に外見や印象の重要性を分かっており、日々情報を仕入れたり勉強したりしている人は、読む必要はない本だと言えるでしょう。

歴史は『べき乗則』で動く ①

随分前から読み始めた本ですが、全く勉強していない物理の本ということで、読み終わえるまでにかなりの時間がかかってしまいました。。
読み始めた時に書いた記事が5月の初めなので、読むのに2ヶ月以上かかっている事になりますね。
って事で、読むのに2ヶ月かかった本【歴史は『べき乗則』で動く】の紹介をしていこうと思います。



この本の書き出しは、地震の話から始まります。
地震は、どのようにして起こるのかというメカニズム等は解明されていますが、どのタイミングでどの規模で発生するのかは予測が出来ない。
色んな地震学者が地震が発生する条件や地震のパターンを見つけ出そうと研究しているが、その様な物は見つけることが出来ていない。
何故なのか?
それは、地震は【べき乗則】に則って起こっているから。
では、【べき乗則】とは何なのか。
べき乗則とは、確率分布の一種。
確率分布には正規分布というものが有りますが、べき乗則はこの分布とは異なる分布。
最初に正規分布から説明すると、正規分布はグラフにすると釣鐘状のグラフになります。
正規分布曲線のグラフ

統計WEBから拝借
このグラフを簡単に説明すると、ジャンケンの100回勝負で100回負け続ける確率は低く、100回勝つ確率も低い。
50回負けて50回勝つ確率が最も高くなり、そこから勝ち負けが偏ると確率が低くなるというグラフです。
かなり多くのものがこのケースに該当するため、結果がこの様なグラフになることを正規分布と呼ぶようです。

ではこのグラフを自信に当てはめた場合はどうか。
震度1~8まであった場合、正規分布に当て嵌めると、震度4ぐらいの地震が起こる確率が高くて震度1や震度8の地震が起こる確率は低いこととなります。
しかし実際にはどうでしょう。
結論から書きますと、地震は正規分布には当てはまりません。
では何に当てはまるのかというと【べき乗則】なのです。

べき乗則はどのような確率になるかというと
【規模・エネルギー・濃度・量などが、2倍になると発生する確率は○分の一になる】というものです。
自身の例で言いますと、地震のエネルギーが2倍になると、発生確率は4分の一となる。
逆に、地震のエネルギーが2分の一になると発生確率は4倍となる。
これが【べき乗則】です。
この【2分の一になると4倍になる】といった倍率は、観測するものによって変化しますが、特定のケースに付いて、今回は地震の場合については【2分の一になると4倍になる】というのは、どの規模の地震になろうとも固定のようです。

そして、この法則に則って地震が発生する事により、地震の余地は不可能となる。
何故かというと、地震はこの法則による確率によってエネルギーが決まる。
コイントスで裏が出る確率は、コイントスをする度に50%なのと同じで、表が4回連続でたからといって裏が出る確率が増えるわけではない。
地震も同じで、震度1が4回続いたからと入って次の地震が震度2になるのかといえばそうではない。
毎回一定確率ごとに起こるわけだ。
そして重要なのが、大規模地震も小規模地震も発生メカニズムは全く同じで、地震が発生する切欠が出来てから大規模地震に成長するか小規模地震で留まるかは、完全に確率による。
つまり、法則性はあるけど予測は不可能という事です。

そしてこの法則の凄いところは、この法則は人の手によってねじ曲げることが出来ず、そして物理法則でありながら人の心にも当てはまるということ。
その辺りの詳しいことは、次回書いていこうと思います。

歴史は『べき乗則』で動く ②

前回の続きです。
前回紹介した【べき乗則】ですが、人間が何らかの行動で法則を狂わそうと思っても、不可能のようです。
この本では、森林火災を例に出して説明されていました。
どのような説明だったかを簡単に書きます。



森林火災の規模も規模と頻度が【べき乗則】に従っている。
火災の場合は、火災を知った後に直ぐに消化すれば消火できる為、小規模火災の段階でこまめに消火活動をすれば、大規模な森林火災は起こらないのではないか?と普通は考えるだろう。
しかし、実際にはそうはならない。
森林火災の場合、一度燃えてしまえば、その土地には可燃物となる木や朽木などが一時的に無くなる。
森林火災はべき乗則に則って起こるため、消火活動をしなくても殆どは小規模火災で自然沈下するのだが、初期段階で消火してしまうと【本来燃えてしまうはずだったエリアが燃えずに残る。】
この燃えずに残ってしまう部分というのがかなり重要なことのようだ。

小規模・中規模火災が起こった場合、沈下しなければある程度の規模を燃やして自然沈下する。
これの流れを繰り返した場合、森の中に燃えてしまって可燃物が無いスペースが所々に出来ることとなる。
この可燃物が無いスペースというのは、次回近くで火災が起こった場合に、火が燃え広がるのを防止するエリアとなる。
可燃物が無い空きスペースなので、空きスペースを挟んだ反対側には火が燃え広がらないことになりますよね。
その様なスペースが点在している場合、火の勢いが強くても中規模火災で止まる場合などがあり、全体としては火災の規模と頻度は【べき乗則】に従う。

しかし、火災の大規模化を防ぐため、人の手で初期段階で火を消した場合、本来燃えるはずの可燃物が残る状態となり、本来燃えて寿命が尽きるはずだった木々は生き残り、燃えること無く朽木となって燃えやすい状態で放置される。
つまり、消化すればするほど大規模火災が起こる確率は増加していく。
そして最終的に、べき乗則に則って大規模火災が起こってしまう。

結論としては、自然的に臨界状態を迎えて、べき乗則に沿って起こっている行動は、人の力で変えることが出来ない。
こうして考えると、人って無力だなと思ってしまう。

次回は、べき乗則が人の心理にも影響しているという話を書いてみます。


歴史は『べき乗則』で動く ③

今回で【べき乗則】については3回目となります。
一応今回で最後の予定ですので、さらに詳しい事を知りたい人は、ぜひ本を購入して読んでください。



前回までは、地震や森林火災などの物理法則や自然現象等で【べき乗則】が働いているという内容でしたが、今回は、【べき乗則】が人の心理にも影響している可能性について書いていきます。

人の心理にも影響しているとはどういう事なのか。
実は【べき乗則】というのは、商品先物相場などの人の行動によって変動するものに対しても働いているようなのです。
先物相場や株式相場などは、【ランダムウォーク】という無作為に決定される運動の連続です。
その為、相場を予知することは基本的には不可能なのです。
この事は、少し勉強した人なら既にご存知でしょうが、巷で出回っている本などで、【絶対儲かる投資法】というタイトルのものが有りますが、殆どのものが適当に書かれた本で、読むことで害になることはあってもプラスに成ることは無い代物がほとんどです。
相場に関する本で【良書】と呼ばれているものの殆どは、相場の動きが読めないことを前提として、如何にマネーマネージメントをするのかについて書かれている本が殆どです。
このような現状を見ても、相場というものは予測が不可能で、全く規則性が無いと思われていたのですが…

相場の動きは、実は【べき乗則】に則って動いているようです。
念の為に書いておきますが、【べき乗則】に則って動いているということは、裏を返せば【値動きは完全に確立によって決定されているので、先の動きは予測できない】事となります。
相場で儲ける為にこの本を読もうと思っている人は、無駄なので読まなくても良いと思います。

話が随分それてしまっているので、戻しましょう。
相場というのは、人々が売買することによって値段が決まり、その値段の連続が値動きとなっています。
値動きは人々の売値・買値によって決定されるので、値動きには市場参加者の意思が反映されたものとなっているはずです。
その値動きに、物理法則である【べき乗則】が関係しているというのは、かなり衝撃的なことではないでしょうか。

この本では、一応のものとして、『人は個々に自由意志を以て入るが、全体としてみれば物理法則にしたがって生きている』という結論を出していました。
人に【自由意志】があるというのであれば、このような結論にならざるを得ないということでしょう。
人に【自由意志】が無い場合には、もっとシンプルな結論になるのでしょうが、人に自由意志が無いと考えたくない人もいるのでしょうしね。

そしてこの結果を受けて、人の意思が関わっていて且つ、べき乗則に則っている現象を探した結果…
見つかった現象は【戦争】
戦争の規模などは考え方によって変化するので、この本の場合は計算しやすいように、単純に【死亡者数】で計算をしていました。
その結果、死者数と起こる頻度との間に【べき乗則】が働いている事を発見したようです。
簡単に書くと、死者数が一定倍になるに連れて、戦争が起こる頻度は一定分の一となると結論が出たようです。

筆者は、物理法則が人の感情にも当てはまる可能性を示し、この分野を【歴史物理学】と名づけて研究しているようです。
歴史学との決定的な違いは、歴史学が『〇〇が起こったことが原因になって〇〇が起こり…』と、ひとつの重大な事柄が起こった際に一つ一つの因果関係を考えていくのに対し、歴史物理学は、『重大な事柄は、規模と頻度によって確率的に決まるので、過去の歴史と同じような現象が現在に起こったとしても、同じ結果になるとは限らない』と考える点が違うようです。
歴史物理学に興味を持った人は、読んでみることをお勧めします。

【経済書?】デフレの正体




僕の周りの多くの人が読んでいて、結構高評価だったので購入してみました。
読んだ感想としては、期待していた割には、かなり残念な内容となっていました。

この本の内容を要約すると
【今のデフレは不景気が原因ではなく、消費者となる生産者人口が減っているから】
といったもの。
デフレや不景気を全てこの理由で片付けてしまおうというところに、かなり違和感を感じる作品となっておりました。

また、この本。
・アメリカの学者は賢いので私の話を理解できるけど、日本の学者や経営者は馬鹿ばっかりなので理解してもらえない。
・この本で紹介している資料は、全て公式発表されているものなのにもかかわらず、私ぐらいしか見ている人がいない。
といった内容が何度か出てきます。
僕の個人的な意見としては、著者が今まで出会った人が、生産者人口や年齢別人口を無視しているだけであって、企業や経済関連の仕事をされている殆どの人がこの部分を無視しているわけではないと思ったのですが…
この様な内容が数回出てきて、その様な内容を読む度に、ただ単に愚痴を言っているだけとしか思えず、読む気が削がれました。

抽象的な批判ばかりも何なので、僕が引っかかった部分について書いていこうと思います。

まず
・不景気は生産者人口が減っていることが原因で起こっている。
という根本的な部分にかなりの疑問が。
著者は、景気が悪いからものが売れないと主張している経営者や経済学者は、労働者人口も調べてない馬鹿だと主張し、景気指数と労働者人口のグラフを持ちだしてきて、互いが一致していることを主張しています。
しかし、2つのデータの一致は、労働人口と景気に【相関関係】が有ることは証明できますが、【因果関係】が有ることまでは証明できません。

【相関関係】と【因果関係】についての面白い話を以前読んだことがあるので、そのエピソードを紹介したいと思います。
掲載している本は、確か【ヤバい経済学】という本だったような気がします。(結構昔に読んだので、うろ覚えです。)



アメリカのある学者(デフレの正体の著者が大好きな【アメリカ】の学者)が、刑務所の収容人数と犯罪率に関する調査をしました。
すると、この2つのデータには【相関関係】があったのです。
犯罪率が低下している平和な時には、刑務所の収容人数は減少していて、一方で、犯罪率が上昇している時には、刑務所の収容人数が増加していたのです。
そこでこの学者は、政府に対して、こう提案しました。
『刑務所の収容人数と犯罪率との間に相関関係が有ることが判明した! 政府は、犯罪率を低下させるために、直ちに刑務所の囚人を全て解放すべきだ!』
そうです、この学者は、刑務所の収容人数が少ない時は犯罪率が低下しているんだから、囚人を開放して刑務所の収容人数を減らせば、犯罪率は低下すると思い込んだんです。
つまり、【相関関係】のみに注目し、【因果関係】を無視しだんです。

デフレの正体で主張されていることも同じです。
労働人口と景気指数に相関関係が認められたからといって、因果関係まで成立するわけではありません。
実際には、景気の先行きが不安だから少子化になっている可能性もあるのです。
例えば、高度成長期の様に中学・高校さえ出れば、誰でも就職できて安定した生活がおくれるという未来がある時代であれば、子供を生むことにそんなに心配入りません。
少子化が先進国で多く見られる現象であるのに対し、後進国では人口が増加していることから見ても、経済の成熟度合いと出生率は無関係ではないでしょう。
しかし著者は、その辺りのことを無視して持論を展開しています。
また、この理屈で言うなら、労働者人口が減っているすべての国がデフレに苦しんでいないと辻褄が合いません。
労働人口が減少している国は日本だけではありませんが、デフレに長期間苦しんでいるのは日本だけです。

次に、高齢者は自分の医療費の為にお金は使わない、これは、医療デリバティブを購入しているのと一緒なので、資産は固定化されている。
なので高齢者がいくら貯蓄しても意味はない。という主張。
この主張を日本の経済学者に言ったところ、『貯蓄は貯蓄だ』と鼻で笑われた。
同じ主張をアメリカでしたら、『その話は既に論文に書いている人がいるよ。』と言われた。
というエピソードを紹介。
その後は、『日本の学者はデリバティブもない時代の経済学を未だに信じていて云々…』といった感じの愚痴が続くのだが。
この主張も極論ではないだろうか。
日本の高齢者が、全て【タンス預金】で現金を家に保管しているのであれば、高齢者が持っている資産は固定化されるだろう。
しかし、この高齢者が銀行に預けているのであれば、銀行が資金が必要な人に貸し出すなり国債を買うなりするわけだから、経済効果はあるのではないだろうか?
日本の場合は財政赤字で毎年国債を発行しているので、高齢者が使わない分は国が使ってくれる。
そういう意味では、固定化されていようなが【貯蓄は貯蓄】なのではないだろうか。
またこの本では、若者よりも高齢者のほうが消費意欲が旺盛である事実が無視されている。

最後にもう一つ。
日本の企業は、労働者人口の増減を無視して『物が売れない』と嘆くばかりと主張されてますが、企業のマーケティング部はそこまで馬鹿ではない。
商品を売る為には、どの年齢層にアプローチすれば良いのか、というのは当然考えるべき基本であり、これを無視して商品開発をしている企業は少ないだろう。
当然、年齢層を意識しているわけだから、世代別人口も調べている。
また、『企業は生産性向上の為に人件費の削減はするが、ブランド価値の創造というアメリカで普通に行われていることはやらないし、ブランド価値創造の意味も知らない経営者がいる』と主張。
これが本当なら、トヨタの『レクサス』ブランドはなぜ生まれたのだろうか…

他にも色々と書きたいことはありますが、一番読む気を削がれたのは
【自分以外の日本人は全員バカ、アメリカ人は理解してくれるから、やっぱり賢いな】というスタンスで文章が展開されている点。
これはかなり感情的なことではあるが、本を読み進めていく上では重要なことだと思う。